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視力悪化、早期に適正対処を=増える近視、矯正法さまざま

 文部科学省の2016年度学校保健統計によると、視力0.3未満の小学生は1979年度と比較し約3倍になっており、子どもの近視化は深刻な問題だ。極度に進行すると将来的に失明に至る病的な近視もあるという。めがねやコンタクトレンズの正しい使い方、視力低下の予防や進行を止める手だて、最新の治療法について、近視のエキスパートに聞いた。

 ◇近視は元に戻らない

 物を見る場合、正常な視力(正視)を持つ人は、水晶体(レンズ)で屈折した光は眼球の後方にある網膜にピントが合う。これに対し、近視の人は眼球が後ろに長く、網膜の手前でピントが合ってしまうため、遠方の物がぼやけて見える。

 東京医科歯科大学付属病院(東京都文京区)眼科の大野京子教授は「東アジアの人は、欧米人に比べ眼球の長い人が多い。親が近視の場合、子供も近視という割合が高い。しかし最近、近視人口が急増しており、遺伝的な要因だけでは説明できなくなってきた」と話す。その上で「パソコンやゲーム、スマートフォンなど、目に刺激の多いデジタル画面を見るのが習慣化し、それが視力低下に影響している可能性が考えられる」と説明。ただ、生活環境の変化と遺伝が複雑に絡み合っている近視の背景について、大規模な調査はされておらず、明確なことは分かっていないとした。

 では近視を治すことはできるのだろうか。眼球は主に、身長が高くなる成長期に伸びる。一度伸びた眼球は身長と同様、解剖学的にも元には戻らない。つまり、一度悪くなった視力は元に戻せないので、近視の進行や視力低下を抑えることが重要だ。「見づらい状態で目を細めて無理に見ると、まぶたで眼球を圧迫し、眼球を伸ばすことになる。特に成長期の子供は、放置すると近視の進行を早める可能性もある」と大野教授は注意を促す。

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