治療・予防

介護ロボット、どう活用?
主体は人、便利なツールに

 介護ロボットには、介護者の負担の軽減やコミュニケーション、リハビリの支援など多くの役割が期待されている。介護ロボット活用の現状と課題について、首都大学東京健康福祉学部(東京都荒川区)の井上薫准教授に聴いた。

 ◇身近になるロボット

 独り暮らしの高齢者は会話の機会が少なくなりがちだが、コミュニケーションロボットを使えば、高齢者が声を発する機会を増やしたり、薬の飲み忘れを知らせたり、軽い運動を勧めたり、見守ったりすることができる。

 井上准教授が開発に関わったアザラシの赤ちゃん型ロボット「パロ」は、会話型ではなく、愛らしい姿と動きで人の心に働き掛けコミュニケーションを促すのが特徴だ。

 「パロは、動物介在療法にヒントを得て開発されました。厳重な衛生管理が求められる場でありながら、患者の癒やしも必要な集中治療室(ICU)での活用も期待できます」と井上准教授。

 認知症の高齢者を介護する家族は指示口調になりがちだが、ロボットがいてくれることで家族も癒やされ、和やかな会話が生まれるなどのメリットがある。パロと触れ合うことで、認知症高齢者の孤独感やうつ、不安などが軽くなる効果も出てきているという。

 これまで介護ロボットは、コストの問題もあり、積極的に導入されてはこなかったが、「コミュニケーションロボットも福祉用具や医療用具として利用できるのではないかという研究報告が増え、現在は大規模な効果検証の調査が行われています」と、井上准教授は説明する。

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