優しさ伝える「ユマニチュード」
認知症ケアの新技法
◇行為すべてがメッセージ
ケアのときは、顔と顔の間をこぶし一つ分ほどの距離にして正面から同じ目線の高さになり、ケア中も目線を合わせ続ける。在宅で介護者が1人の場合は、「家庭で飼っているペットや思い出の写真を見てもらいながら、会話を膨らませていくとうまくいくことがあります」と本田医長はアドバイスする。
話すときは低めの声でゆっくりと、前向きな言葉を選び、相手に反応がなくても話し続ける。話すことが見つからなければ、今行っているケアをそのまま言葉で伝えればよい。
相手に触れるときは、「認知症で家族の顔を忘れていることもあります。見知らぬ人に突然手首をつかまれたら誰でも恐怖を感じます。大きく包み込むようなイメージで優しく触れることが大切です」と言う。また、寝たきりになるのを防ぐため、1日計20分、サポートしながら立ってもらうことも効果的だ。
一つ一つの技法は決して難しくないが、意識して継続的に行うには技術の習得が必要だ。ユマニチュードは在宅介護においても活用できる技法として今後さらに普及することが期待されている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2018/06/19 13:52)