企画特集

薬物依存からの回復を目指して
苦しみを仲間と共有~川崎ダルク~ 理解啓発サポーター 前園真聖の現場リポート〔2〕

 依存症の中で世間から特に冷たい視線を浴びるのが、覚せい剤をはじめとした薬物をやめられない人たちだ。アルコールなどと違い、薬物依存症の大半を占める覚せい剤は使用自体が犯罪行為で依存性が強く、再犯率も高い。そんな薬物依存からの回復を支援している「川崎ダルク」を、政府事業の一環で依存症の啓発活動を担っているサッカー元日本代表の前園真聖さんが訪れた。前園さんは、薬物を絶っている入所者らのミーティングを静かに聞き、「薬物の苦しみを仲間と共有し、逃げずに自分自身と向き合っている人たちの姿が印象的だった」と話した。

 ◇高い再犯率

 薬物依存症は、覚せい剤といった化学物質などを体が求めるのだが、他の依存症と同様に本人の意思では使用をコントロールできなくなる脳の病だ。しかし、非合法なため薬物依存が明らかになるのは犯罪として立件されてからになるのがほとんど。依存症の実態を正確に把握するのは困難で、回復に向けた対策にも難しさがつきまとう。

 毎年約1万人が薬物使用の罪で有罪判決を受けているが、再犯率は6~7割と極めて高い。依存性の強さや社会に受け入れられない疎外感から再び手を出すとされる。

 ◇心をオープンに

 こうした悪循環を避けるには、病院での治療やダルクなどの回復施設で一定期間過ごしてから社会復帰することが推奨されている。

 ダルクは聞き慣れない名前だが、Drug(薬物)Addiction(依存症)Rehabilitation(回復)Center(施設)の頭文字からつけられた。日本では1985年に誕生し、全国60カ所89施設で活動。入所者約1000人が社会復帰を目指して日々を過ごしている。

 川崎ダルクもその一つ。前園さんが訪問した日は、6人がミーティングに参加していた。薬物に強く依存していたとは思わせない快活な人たちが、未成年の時に覚せい剤を覚え、やめられずに苦しんだ経験など次々話し、皆が聞き入った。

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