2024/11/29 05:00
なぜ尿検査では中間尿を使うのか
外来診察をしていると、「健康のためには、どんな運動をすればよいですか」と聞かれる機会が多々あります。
私はそんなとき、「まずは歩くことからです。スマホの歩数カウントアプリを使って、毎日の歩数を記録してみましょうか」と、お答えしています。
毎日8000歩、楽しく歩いて健康をキープしましょう【時事通信社】
◆さまざまなリスクが低下
歩行に関する研究は世界中でされており、歩行で得られるさまざまなメリットが解明されてきました。
米国の一般的な40歳以上の人々を対象にした、1日の歩数が4000歩の群と8000歩の群の比較では、8000歩群で死亡リスクが半減したという研究(※1)は知っている人も多いかもしれません。
日本の研究では、群馬県中之条町で行われた「中之条研究」が有名です。65歳以上の人を対象に15年以上も追跡し、歩数と疾患リスクの関係性など、さまざまな項目のデータを集めたものです。
糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満の4疾患の併発を、動脈硬化につながる「死のカルテット」と呼びますが、このうち糖尿病、高血圧、脂質異常症は1日8000歩(中強度以上運動20分を含む)で、肥満は1日1万2000歩(中強度以上の運動40分を含む)で予防できることが明らかになりました。(※2)
◆モチベーションが上がる
年齢や基礎疾患の有無によっても目標歩数は変わってきますが、おおよそ8000~1万2000歩を歩くことの重要性がお分かりいただけたかと思います。
しかし、ただ歩けと言われても、継続するのは難しいものです。そこでお薦めなのが、スマホアプリによる歩数管理です。
ほとんどのスマホには、加速度計が内蔵されており、毎日の歩数をカウントしグラフ化してくれます。毎日確認する習慣をつけるだけでも、目に見える形で成果を確認できて、やる気の維持につながります。
また、歩数でポイントを貯めて、商品券や景品と引き換えられるアプリや、キャラクターを育てるゲームアプリもあります。私もカラフルな草を育てる某ゲームを始めて、より一層楽しく、毎日1万歩を達成できるようになりました。
ご自身にあったアプリをお供に、ぜひ皆さんにも、楽しみながら健康になっていただきたいと思います。
※1 Saint-Maurice PF, et al. JAMA. 2020;323(12):1151-1160.
※2 青栁幸利著「なぜ、健康な人は『運動』をしないのか?―病気の9割は『運動』が原因」(あさ出版)
渡邉 昂汰(わたなべ・こーた) 内科専攻医および名古屋市立大学公衆衛生教室研究員。「健康な人がより健康に」をモットーにさまざまな活動をしているが、当の本人は雨の日の頭痛に悩まされている。
(2021/11/26 05:00)
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