竹中完 医師 たけなかまもる

近畿大学病院

大阪府大阪狭山市大野東377-2

  • 消化器内科
  • 特命准教授

専門

膵臓がんや膵炎、膵のう胞性腫瘍などの膵臓疾患や胆道疾患の診断・治療、放射線被曝、サルコペニア、フレイルなど

医師の紹介

 竹中完医師は近畿大学消化器内科の胆・膵グループの責任医師・リーダーとして入院患者の治療方針に関わるとともに、外来診療も行っている。胆・膵疾患の中で診療する機会が多い疾患の1つに慢性膵炎がある。「近年、慢性膵炎の患者さんが増えていますが、それは罹患率が上がったというより診断されやすくなったことが影響していると思われます。その要因の1つが、超音波内視鏡を用いる検査・治療を行う施設が増えたことが考えられます。私は『慢性膵炎臨床診断基準 2019』(日本膵臓学会)の作成に携わりましたが、作成委員の中ではできるだけ分かりやすくすることを重視する流れがありました。その甲斐もあって慢性膵炎に関する認識が少しずつ医師に広まってきたのかもしれません。」(竹中医師)
 膵臓疾患は症状が出現しにくいことも多く、症状が出現したとしても腹痛などのありふれたものであることが多く、他の病気と間違われることも少なくない。そのため慢性膵炎で消化機能が破綻する「膵外分泌機能不全」を起こしていたとしても、「膵外分泌機能不全かもしれない」と疑わなければ診断されないことはよくあるという。「腹痛や便通障害があるのに、血液検査やレントゲン検査、CT検査といった画像検査では異常がないことがよくあります。しかし症状がある以上、患者さんはまた受診せざるを得ません。そうやって“厄介な患者”のように扱われている患者さんが少なからず存在していると思います。症状の背後に実は膵外分泌機能不全があり、その原因が慢性膵炎や膵臓がんである可能性もあるので、原因がわからない腹部症状の原因が「膵外分泌機能不全かもしれない」と疑うことはとても重要と思っています。」(竹中医師)
 慢性膵炎のほか、竹中医師は膵臓がんの診療も専門としている。膵臓がんは診断された時点で転移していることが少なくないため、治療が難しくなるケースも多く存在する。
「膵臓がんの治療方針はとても難しく、必ず患者さんと相談をして決めていきます。これが正解はないので、何かあったらその都度ご本人、並びにご家族と相談するしかないと思っています。その時、私たちに求められること、するべきことは正しい選択肢を患者さんとご家族にご提案することと思っています。可能な治療法を提示し、起こり得る合併症や副作用についても説明します。ただし他のがん以上に、膵臓がんの多くは治療後に残された時間が限られます。その期間の中でどうするか、場合によっては緩和治療や在宅療養も視野に入れて検討していくことになります。とにかく患者さんが患者さんらしくいられる一日を出来るだけ長く過ごしていただきたい、その思いで膵がんに向き合っています。」(竹中医師)
 竹中医師は『これで完璧!胆膵内視鏡の基本とコツ~“うまくいかない”を解決する目からウロコのエキスパートの技』(2021年 羊土社)を上梓。胆・膵疾患への内視鏡検査・治療のエキスパートとして、国内外で医師対象のライブセミナーやウェブセミナーなど講演を行う機会も多い。竹中医師はこう語る。「内視鏡を使う医師の中には、技術の習得ばかりに熱中する先生もおられるように感じます。しかし眼前の患者さんを救うにはまず正しい診断につとめ、高い内視鏡技術を提供できるように日々の精進につとめ、患者さんの顔を見ながら寄り添っていくことが必須のはず。とても難しいですが私は常にそうあれるように心がけています。」(竹中医師)

診療を受けるには

医師の指名は可能。紹介状がない場合は初診時選定療養費が別途必要となる。
詳細は病院ホームページ参照。

医師プロフィール

2001年 近畿大学医学部卒業
2001~2009年 淀川キリスト教病院
2008~2013年 神戸大学大学院医学研究科(博士課程)
2009~2013年 神戸大学医学部消化器内科 医員
2013~2016年 神戸大学医学部消化器内科 特定助教
2016年より現職

所属学会

医学博士、日本消化器内視鏡学会  財団評議員・専門医・指導医、日本消化器病学会  学会評議員・専門医・指導医、日本内科学会 専門医・指導医、日本胆道学会  評議員・指導医、日本膵臓学会  評議員・指導医、日本肝臓学会  専門医、日本超音波学会、臨床腫瘍学会、日本医学教育学会、日本サルコペニア・フレイル学会

主な著書

『これで完璧!胆膵内視鏡の基本とコツ~“うまくいかない”を解決する目からウロコのエキスパートの技』(2021年 羊土社)
(更新日:2024年3月22日)

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