医師の紹介
肝臓の中心部では胆管や血管などが複雑に絡み合い、胆道の周辺にも重要な血管や神経、リンパ管が走っていため、この領域のがんは手術が難しいケースが多い。胆道がんの場合、早期から周囲に浸潤しやすいことも手術を困難なものにしている。また、すい臓がんでは、膵頭部を切除するときは胆管や十二指腸の一部も切除する上、つなぎ直す必要もあり、やはり手術の難易度が高い。齋浦医師はこのような施設間格差が出やすい手術を中心に6,000件以上の手術実績を持ち、国内トップクラスの名医として知られている。
齋浦医師によると、近年は低侵襲な腹腔鏡手術が格段に増えたという。「この領域の外科におけるトピックは低侵襲手術です。大きな傷が残ることなく、腹腔鏡で行える割合が増えてきました。従来は患者さんの体に負担のかかる開腹手術が多かったのですが、より低侵襲で、安全な方法が開発されています」(齋浦医師)
昔のことを考えれば、肝臓・胆道・膵臓がんの生存率は徐々に向上しつつあり、「これらの難治性のがんを治すことが使命」と齋浦医師は語る。
なお、どのがんにも言えることだが、肝臓・胆道・膵臓のがんも早期発見が必須だ。そのためには、「一般的な健康診断で構わないので、定期的な検査を欠かさないことが重要」と齋浦医師は強調する。いずれも自覚症状が出にくく、予後も良くないだけに、年1回の健康診断は欠かさず受けるようにしたい。
診療を受けるには
医師プロフィール
1996年 東京大学第二外科 助手
1998年 都立墨東病院外科 医員
2002年 東京大学肝胆膵人工臓器移植外科 助教
2003年 癌研病院消化器外科 医員
2008年 がん研有明病院消化器外科 肝胆膵外科部長
2019年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 肝・胆・膵外科教授
2020年 順天堂大学消化器外科学講座 主任教授
所属学会
主な著書
『膵癌・胆道癌 (がん研スタイル 癌の標準手術)』(2015年メジカルビュー社)編集
『肝癌 (がん研スタイル癌の標準手術)』(2014年メジカルビュー社)編集
医師発信欄
同じ疾病を専門とする医師一覧
-
糸井隆夫 医師 (いといたかお)
東京医科大学病院
消化器内科 主任教授
-
上坂克彦 医師 (うえさかかつひこ)
静岡県立静岡がんセンター
肝・胆・膵外科 総長(総括者)
-
海野倫明 医師 (うんのみちあき)
東北大学病院
総合外科 肝胆膵・移植グループ 科長/教授
-
遠藤格 医師 (えんどういたる)
横浜市立大学附属病院
消化器外科 診療科部長
-
岡崎和一 医師 (おかざきかずいち)
関西医科大学香里病院
内科 病院長
-
奥坂拓志 医師 (おくさかたくじ)
国立がん研究センター中央病院
肝胆膵内科 科長
-
佐田尚宏 医師 (さたなおひろ)
自治医科大学附属病院
消化器センター外科部門(消化器外科) 外科学講座 主任教授
-
竹中完 医師 (たけなかまもる)
近畿大学病院
消化器内科 特命准教授
-
竹山宜典 医師 (たけやまよしふみ)
近畿大学病院
肝胆膵外科 名誉教授
-
中村雅史 医師 (なかむらまさふみ)
九州大学病院
胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科 病院長 教授
-
古瀬純司 医師 (ふるせじゅんじ)
神奈川県立がんセンター
総長
-
森安史典 医師 (もりやすふみのり)
ケイアイ飯田橋クリニック
内科・整形外科 院長
-
山上裕機 医師 (やまうえひろき)
昭和大学病院
膵がん治療センター、消化器・一般外科 センター長、特任教授