病院・診療科の選びかた 家庭の医学

 かかりつけ医の紹介が得られないときは、まず、地理的条件で病院を選びましょう。全国どこでも、たいてい基幹病院や中核病院といわれるものがあります。このとき大学病院だけがベストと思わないほうがよいでしょう。一般的には、親類や知人のすすめ、世評や各種の情報を参考にしますが、最終的には自分で決めることです。

■診療科の選びかた
 病院などの医療機関が外部に掲げている「内科」や「外科」といった診療科名は、「標榜(ひょうぼう)診療科」といって、医療法で定められたものです。厚労省は2008年に、それまでの診療科の標榜名を整理して、患者や住民が自分の病状にあった適切な医療機関の選択ができるように、診療科標榜も、多様な表記を用いることができるようにしました。
 以下に2020年版を表記しました。
 小児科は通常15歳未満を対象とします。ただし、15歳という年齢が法律によって規定されているわけではありません。
 内科は、臓器や病態別に細分化されています。最近は、腫瘍内科(がんの化学療法を主とする)、女性内科(更年期など女性特有の健康問題を主とする)、感染症内科(感染性疾患を主とする)などを標榜する医療機関もふえています。
 認知症は、神経内科(脳神経内科)、老年内科、精神科など、扱う診療科が病状や病院によって異なります。どこへかかればいいかわからないときは、一般内科や総合診療科あるいは老年内科が、広い分野をカバーしていて無難です。
 外科の場合には、専門の外科へは一般外科から回されるはずです。
 整形外科・耳鼻咽喉科・眼科・泌尿器科・脳神経外科など、病気の種類や臓器別の専門科に直接かかったほうがよいこともあります。
 形成外科は、けが・手術・生まれつきなどによる障害部位の修復や再建をおこないます。気管食道外科や頭頸(けい)部外科など領域をまたがる診療科もあります。

 受付で振り分けサービスをする総合案内や、総合診療科などが窓口になる病院もふえていますから、そこで相談しましょう。自分で安易に受診する専門科を決めないことが賢い医師のかかりかたです。

●通常考えられる診療科名の具体例
医科歯科
内科
呼吸器内科
消化器内科
循環器内科
内科(循環器)
気管食道内科
腎臓内科
神経内科(脳神経内科
血液内科
内分泌内科
代謝内科
胃腸内科
心臓内科
脂質代謝内科
女性内科
新生児内科
老年内科
心療内科
内科(薬物療法)
疼痛緩和内科
漢方内科
人工透析内科
内科(骨髄移植)
内視鏡内科
ペインクリニック内科
内科(ペインクリニック)
感染症内科
内科(感染症)
腫瘍内科
糖尿病内科
アレルギー疾患内科
性感染症内科




外科
頭頸部外科
胸部外科
腹部外科
呼吸器外科
消化器外科
気管食道外科
肛門外科
心臓血管外科
脳神経外科
乳腺外科
食道外科
胃腸外科
大腸外科
肝臓外科
胆のう外科
膵臓外科
心臓外科
小児外科
整形外科
形成外科
美容外科
移植外科
内視鏡外科
外科(内視鏡)
ペインクリニック外科
腫瘍外科
外科(がん)










精神科
児童精神科
老年精神科
アレルギー科
リウマチ科
小児科
小児科(新生児)
皮膚科
小児皮膚科
美容皮膚科
泌尿器科
神経泌尿器科
男性泌尿器科
小児泌尿器科
泌尿器科(人工透析)
泌尿器科(不妊治療)
産婦人科
産科
婦人科
産婦人科(生殖医療)
眼科
小児眼科
耳鼻いんこう科
気管食道・耳鼻いんこう科
小児耳鼻いんこう科
リハビリテーション科
放射線科
放射線診断科
放射線治療科
腫瘍放射線科
病理診断科
臨床検査科
救急科
      など
歯科
小児歯科
矯正歯科
歯科口腔外科



































*筆者注:日本神経学会が推奨


●複数の事項を組み合わせた通常考えられる診療科名の具体例
医科歯科
血液・腫瘍内科
糖尿病・代謝内科
老年心療内科
老年・呼吸器内科
消化器内科(内視鏡)
腎臓内科(人工透析)
腫瘍内科(疼痛緩和)


小児腫瘍外科
女性乳腺外科
移植・内視鏡外科
消化器・移植外科
ペインクリニック・整形外科
脳・血管外科
肝臓・胆のう・膵臓外科
大腸・肛門外科
腎臓外科(臓器移植)
頭頸部・耳鼻いんこう科
美容皮膚科(漢方)








      など
小児矯正歯科










      など