月経のシステム

 成熟した婦人(女性)では、ホルモン変動に呼応し子宮内膜の周期的な変化が起き、月経周期が完成します。月経とは、黄体の退縮によりホルモンが急激に低下するのをきっかけとして子宮内膜が剥離(はくり)排出される現象です。約1カ月の間隔で起こり、限られた日数で自然に止まる周期的出血と定義されています。はじめての月経は初経(しょけい)または初潮(しょちょう)と呼ばれ、通常10~15歳です。正常月経の範囲は、月経周期日数が25~38日、出血日数が4.5~8日、経血量が5~80mLとされています。卵巣の周期的変化に注目した場合、月経周期は卵胞(らんぽう)期、排卵期、黄体期に分類できます。また、子宮内膜からみると卵胞期に対応するのが増殖期、黄体期に対応するのが分泌期、月経期に分類されます。さらに基礎体温からみると低温相と高温相に分類できます。

■卵胞期
 視床下部から分泌されるGnRHは脳下垂体のゴナドトロピン分泌を促し、卵巣では卵胞の発育が促進されます。卵胞の発育に伴い、女性ホルモン分泌が増加することで子宮内膜は増殖し厚くなります。この期間を卵胞の発育が主であるため卵胞期と呼びます。また、子宮内膜はエストラジオールの作用により増殖を続けるため、この期間を増殖期とも呼びます。

■排卵期
 エストラジオール分泌がしだいに増加し、ある濃度以上が一定時間持続することで中枢からは急激な一過性のゴナドトロピン放出が起こります。この現象は、ポジティブフィードバック機構(エストロゲンの血中濃度高値が持続したためゴナドトロピン分泌の活性化が起こる)の発動によるLHサージと呼ばれるものです。このLHサージのピークから約10~12時間後にいちばん大きく発育した卵胞(主席卵胞)が破裂し、卵胞内の卵子が卵巣外へ放出されます。この現象を排卵と呼びます。排卵後の残った卵胞が変化したものが黄体です。

■黄体期
 排卵後卵巣内には黄体が形成され、プロゲステロンの分泌が増加します。黄体は妊娠が成立しない場合10~15日程度で退行変性を起こし寿命を終えます。この期間は黄体が主役であるため黄体期と呼びます。また、プロゲステロンは子宮内膜を分化させて受精卵の着床に適した環境を形成します。この期間を分泌期とも呼びます。
 黄体からはプロゲステロンだけでなく、エストロゲンなどのホルモンも多量に分泌されていますが、黄体の退縮後はこれらが急激に減少するために子宮内膜の機能層は剥(は)がれ落ち子宮外へ排出されます。これが月経です。