女性のライフサイクルとホルモン

 女性の一生は胎児期、小児期、思春期、成熟期、更年期(周閉経期)、老年期に区別され、生殖生理機能も時期により異なります。生殖生理機能は神経ペプチド、性ステロイドホルモンと深い関連があり、生殖器官である外陰(がいいん)、腟(ちつ)、子宮、卵管は、卵巣から分泌される性ステロイドホルモンにより直接影響を受けます。卵巣機能は中枢(視床下部、脳下垂体)から分泌されるホルモンにより調節されています。卵巣からは女性ホルモン(エストロゲン)、男性ホルモン(アンドロゲン)、そして排卵後に黄体(おうたい)ホルモン(プロゲストーゲン)が分泌されます。エストロゲンのなかでいちばん活性が強いのはエストラジオール、アンドロゲンの代表はテストステロン、黄体ホルモンの代表はプロゲステロンというホルモンです。
 これらの卵巣ホルモンの分泌を促進するものが、脳下垂体から分泌される卵胞(らんぽう)刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)です。この2つのホルモンを総称してゴナドトロピンと呼びます。そしてこのゴナドトロピンの分泌を直接刺激するものが視床下部から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)です。これらのホルモンは、たがいに影響を及ぼしあいながらバランスを保っています。
 生殖生理機能の基礎はすでに胎児期から始まっており、卵巣にはすでに数百万個の生殖細胞(卵子)が存在しますが、一度形成された生殖細胞は増加することはなく、減少し続けます。新生児期から小児期にかけて中枢神経系は未熟のためエストロゲンも思春期まで低値を持続します。思春期では卵巣の生殖細胞数は数十万個までに減少しています。思春期になると中枢神経系が成熟し、視床下部のGnRH分泌および下垂体前葉のゴナドトロピン分泌の増加により卵巣が刺激され始めます。性ステロイドホルモンの分泌が増加してくると二次性徴が始まります。
 二次性徴は、乳房の発達→陰毛の発生→腋毛(わきげ)の発生→初経(しょけい)の順に発現します。成熟期では中枢からのホルモン分泌の周期性が確立されることにより、卵巣ホルモンの分泌も周期的変動がみられるようになります。卵巣では卵胞と卵の発育、排卵、黄体形成が周期的にくり返されます。更年期とは生殖期から生殖不能期への移行期と定義されており、45~55歳くらいがその時期に相当します。生殖細胞が消滅すると卵巣機能が停止し閉経(へいけい)します。