急性散在性脳脊髄炎〔きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん〕 家庭の医学

 多発性硬化症とは異なり、再発はありません。ワクチン接種後に1~2週間たってから生じるものと、いろいろなウイルスに感染後、2~6週間たって生じる感染後脳脊髄炎とがあります。

[症状]
 頭痛、発熱、意識障害が急激に発症します。重症例ではけいれん、小脳性運動失調、四肢まひ、昏睡(こんすい)を生じます。また、呼吸まひが急速に進行し、不幸な転帰をとることもまれではありません。

[診断]
 MRI(磁気共鳴画像法)で広範に白質の病変をみとめますし、髄液ではリンパ球とたんぱくが増加しています。

[治療]
 症状がおさまれば回復しますが、全身状態を改善させるために入院し、絶対安静を保たなければなりません。副腎皮質ステロイド薬の大量投与をしますが、死亡率が高い疾患です。免疫グロブリン大量療法(IVIG)なども使われます。

(執筆・監修:一口坂クリニック 作田 学)