VDT症候群(テクノストレス) 家庭の医学

 Visual display terminal(VDT)を使う人が長時間作業を続けるときに起こる、目が疲れる、肩がこる、頭が痛いなどのうったえをVDT症候群といいます。最近コンピュータ、タブレット端末などを扱う人が多くなり、それに伴って上記のような不定愁訴をうったえる人がふえ、社会問題となっています。
 画面をじっと見つめるため結膜、角膜が乾燥して目が障害され(ドライアイ)、また同一姿勢をとらなければならないための精神的、肉体的疲労も関係しているため、テクノストレスとも呼ばれています。
 このようなうったえを予防するためには一般的に、VDT作業を1時間おこなえば10~15分の休息をとるようにします。また、作業環境をよくする(照明、椅子など)、精神の安定をはかる(職場の人間関係、家庭円満など)、視機能検査(屈折、調節、眼筋、眼鏡調整など)を定期的におこなう、全身管理(血圧、自律神経機能、心臓、消化器など)をおこなうなど精神的、肉体的に健康な状態で作業に従事するようにしましょう。
 近代産業に従事し単純な連続作業をおこなわなければならない際に、いろいろなうったえが起こっていますが、その一つとしてこのような新しい症候群があることに注目する必要があるでしょう。

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