変形性股関節症〔へんけいせいこかんせつしょう〕

 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ったために関節の痛みや動きの制限が生じ、立位や歩行が困難になる病気です。特別な原因がないのに起こる場合(一次性変形性股関節症)と、以前になにか別の病気があり、これが原因となって起こる場合(二次性変形性股関節症)があります。後者の場合、原因としては臼蓋(きゅうがい)形成不全、先天性股関節脱臼で十分な整復が得られなかった場合(先天性股関節脱臼)、大腿骨頭壊死(だいたいこつとうえし)、以前の骨盤や大腿骨の骨折、細菌の感染、関節炎などがあります。

[症状]
 初期の変形性股関節症では、おもな症状は長時間の歩行、立位のあとの股関節部の痛みです。人によっては歩き始めた瞬間や椅子から立ち上がった瞬間に痛みを覚えることもあります。進行すると痛みは強くなり、短時間の歩行や立位でもすぐに痛みがあらわれるようになります。
 また関節の動きがわるくなるため、股関節を深く曲げる必要のある動作ができなくなり、たとえば足の指の爪が切れない、靴下がはきづらいなど日常生活に支障をきたすようになります。

[治療]
 変形性股関節症では、基本的に一度悪化してしまったものをよい状態に戻すことは現在の技術では困難です。したがって痛みがそれほどひどくなければ杖などを使ってわるいほうの股関節になるべく体重が加わらないようにし、痛みどめの薬で症状をやわらげるようにします。痛みが強くて日常生活に不自由するようであれば手術による治療がおこなわれます。
 手術の方法はおもに2通りです。軟骨がすり減っている部分にかかる負担を減らすように骨のかたちをととのえる骨切り術と、人工の関節を挿入する人工関節置換術がそれで、股関節の状態や患者の年齢を考えたうえで適切な方法が選ばれます。年齢が若い場合には、このほかに関節固定術がおこなわれることもあります。
医師を探す