悪性黒色腫(メラノーマ)〔あくせいこくしょくしゅ〕

 皮膚のメラニンを生成する細胞、つまり色素細胞が悪性化したもので、その腫瘍細胞もメラニンをつくるはたらきをもっているので、全体が黒い腫瘍です。まれですが、メラニンをあまりつくらない、黒くない悪性黒色腫もあります。リンパ節や内臓に転移し、急速に進行していくものが多いので、おそれられているものです。しかも、近年増加の傾向にあります。

 一見、健康にみえる皮膚にできてきます。初期にはほくろ(色素性母斑〈ぼはん〉)や脂漏性角化症(老人性イボ)とまぎらわしく、つい見のがしてしまいます。
 また皮膚のほか、口腔(こうくう)粘膜、外陰部粘膜、眼球ぶどう膜、軟脳膜など、色素細胞をもっているところにできてくることもあります。
 悪性黒色腫は顔や下肢、日本人では特に足の裏によく発生し、はじめは褐色(かっしょく)ないし黒褐色の小さな局面、あるいは小結節として始まります。急速に、あるいはゆっくりと成長していって増大し、表面がくずれることもあります。
 黒い色をもつことが悪性黒色腫の特徴ですが、黒い腫瘍はほかにもいくつかあります。そのなかでも、ほくろ(良性の色素性母斑)と区別することが重要です。色素斑が大きくなってくるとき、その辺縁が不規則なかたちをして、特に色素斑が周囲に染み出しているときは、悪性黒色腫を疑います。まわりにひろがっていって、新しい病巣をつくってくることもありますし、リンパ行性、もしくは血行性に急速に転移していきます。

[治療]
 専門家の判断による適切な広範囲の腫瘍摘出とリンパ節郭清(かくせい)術が大切です。最近、進行例にも有効な抗がん薬が使われています。いずれにせよ、できるだけ早い時期に専門医を受診してください。
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