精神・中枢神経の病気 家庭の医学

■習慣性頭痛
・のどが渇きやすく、水を飲むわりには尿の出がわるい人には五苓散(ごれいさん:陽・虚・水毒〈すいどく〉)を用います。
・片頭痛で、突然起こる拍動性の頭痛発作には呉茱萸湯(ごしゅゆとう:陰・虚・脾臓〈ひぞう〉の冷え)を用います。激しい嘔吐(おうと)にもよいでしょう。緊張性頭痛で肩から頸部のこりが強いものにも応用できます。
・高齢者の脳循環障害に伴う頭重感、頭痛には釣藤散(ちょうとうさん:陽・虚・肝の失調)を用います。
・胃腸虚弱者の頭痛、頭重感、めまいには半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう:陰・虚・気虚〈ききょ〉)を用います。

■自律神経失調症・神経症・心身症
・気鬱(きうつ)で、のどになにかつまったような感じがとれず、検査ではなにも異常がないという咽喉頭異常感症には半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう:陽・虚・気鬱)を用います。
・胃腸虚弱でやせた人の動悸(どうき)、不眠などには桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう:陽・虚・気逆〈きぎゃく〉)を用います。
・体調がわるく、イライラして眠れず、冷えのぼせのある場合には加味逍遙散(かみしょうようさん:陽・虚・?血〈おけつ〉)を用います。女性で生理不順を伴う場合にも、この方剤(加味逍遙散)がよいでしょう。

(執筆・監修:医療法人社団誠馨会 千葉中央メディカルセンター和漢診療科 顧問 寺澤 捷年
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