学習障害(LD)〔がくしゅうしょうがい(えるでぃ)〕

 学習障害(learning disabilities:LD)とは、「全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用にいちじるしい困難を示す、さまざまな障害」(文部科学省)です。感覚器の障害によるものではありません。これには、読字障害、書字障害、算数能力障害、混合性障害があります。
 検査は、ウェクスラー児童用知能検査(WISC)などの認知テストが利用されます。年齢や教育程度からみて、当該分野でいちじるしく評点が低い場合に診断されます。
 これらの障害の原因は、家庭や学校のしつけなどの環境面にあるのではなく、脳の機能障害にあると考えられています。学習障害のある児童に対しては、教材をわかりやすく組み立てるなど教育方法を工夫する必要があります。
 学習障害と関連して、会話および言語の特異的発達障害(人の話を聞いたり話したりが苦手)や運動機能の特異的発達障害(運動が苦手)があります。

(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)
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