上腹部の鈍痛
慢性的に空腹時、特に早朝に心窩部(しんかぶ:みぞおちのところ)が痛み、胸やけがあるようなときは逆流性食道炎が疑われます。特に肥満の人、高齢で背中の曲がった人、胃の手術後などでもみられます。逆流性食道炎では、のどの痛みやせきを伴うこともあります。
上腹部の鈍痛、もたれ、胸やけなどは、重篤な病気がなくてもしばしばみられる症状です。しかし、胃がんでもそのような症状になることがありますので、内視鏡検査を受ける必要があります。特にいままでそのような症状のなかったときは気をつけてください。
また、早期胃がんはほとんど症状がないので、特に40歳を過ぎたら年1回の内視鏡検査による胃検診を受けるようにします。
みぞおちのあたりが食後30分から1時間たって痛んだり、おなかがすいたときに痛む場合は胃潰瘍・十二指腸潰瘍の可能性が高く、医師の診察を受けてください。鈍痛(どんつう)をくり返し、上腹部に限局してみぞおちのあたりが痛むことが多い病気です。
胃潰瘍の場合はまん中よりやや左側、十二指腸潰瘍ではまん中よりやや右側が痛む傾向があります。背中の痛みを伴うこともあります。特に十二指腸潰瘍では空腹時の痛みが特徴的で、痛みで目が覚めることもあります。
胃・十二指腸潰瘍の原因の大半はヘリコバクター・ピロリ菌という細菌が原因です。抗菌薬を用いた根本的な治療で、ヘリコバクター・ピロリ菌を除菌する必要があります。うまく菌が消えれば再発しません。
アモキシシリン、クラリスロマイシンという抗菌薬とランソプラゾールという胃潰瘍の薬(プロトンポンプ阻害薬:PPI)による治療によって大半はヘリコバクター・ピロリ菌がいなくなります。ただ、抗菌薬が処方される機会が多く、このため菌が抗菌薬に対して耐性をもち、除菌がうまくいかないことがあります。体質的に抗菌薬が効かない場合もあります。
慢性膵炎による腹痛は、食後の上腹部から背部の持続的な痛みが特徴です。アルコール飲料(お酒)をたくさん飲む人に多くみられます。治療は、禁酒がもっとも重要です。脂肪摂取も少なくすることが有効です。慢性膵炎をほうっておくと、鎮痛薬が手放せなくなったり、膵臓の機能が低下して糖尿病になってしまいます。また、嚢胞ができたり、膵臓がはれて、がんとの鑑別が難しい場合があります。
上腹部の鈍痛、もたれ、胸やけなどは、重篤な病気がなくてもしばしばみられる症状です。しかし、胃がんでもそのような症状になることがありますので、内視鏡検査を受ける必要があります。特にいままでそのような症状のなかったときは気をつけてください。
また、早期胃がんはほとんど症状がないので、特に40歳を過ぎたら年1回の内視鏡検査による胃検診を受けるようにします。
みぞおちのあたりが食後30分から1時間たって痛んだり、おなかがすいたときに痛む場合は胃潰瘍・十二指腸潰瘍の可能性が高く、医師の診察を受けてください。鈍痛(どんつう)をくり返し、上腹部に限局してみぞおちのあたりが痛むことが多い病気です。
胃潰瘍の場合はまん中よりやや左側、十二指腸潰瘍ではまん中よりやや右側が痛む傾向があります。背中の痛みを伴うこともあります。特に十二指腸潰瘍では空腹時の痛みが特徴的で、痛みで目が覚めることもあります。
胃・十二指腸潰瘍の原因の大半はヘリコバクター・ピロリ菌という細菌が原因です。抗菌薬を用いた根本的な治療で、ヘリコバクター・ピロリ菌を除菌する必要があります。うまく菌が消えれば再発しません。
アモキシシリン、クラリスロマイシンという抗菌薬とランソプラゾールという胃潰瘍の薬(プロトンポンプ阻害薬:PPI)による治療によって大半はヘリコバクター・ピロリ菌がいなくなります。ただ、抗菌薬が処方される機会が多く、このため菌が抗菌薬に対して耐性をもち、除菌がうまくいかないことがあります。体質的に抗菌薬が効かない場合もあります。
慢性膵炎による腹痛は、食後の上腹部から背部の持続的な痛みが特徴です。アルコール飲料(お酒)をたくさん飲む人に多くみられます。治療は、禁酒がもっとも重要です。脂肪摂取も少なくすることが有効です。慢性膵炎をほうっておくと、鎮痛薬が手放せなくなったり、膵臓の機能が低下して糖尿病になってしまいます。また、嚢胞ができたり、膵臓がはれて、がんとの鑑別が難しい場合があります。
(執筆・監修:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 名誉院長 大西 真)
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