慢性膵炎〔まんせいすいえん〕

[原因]
 特に大酒家で、毎日、日本酒で3~5合、ビールで5~6本飲むような人たちは、7~10年で慢性膵炎になる可能性があるといわれています。40歳以上の大酒家が腹痛をうったえてきた場合、一応慢性膵炎を考えます。

[症状]
 上腹部の痛みが年中ジワジワと持続的に続きます。半年以上続くことが多く、症状がはっきりしない、なんとなく腹がはった感じがするといったものです。胃や背中のちょうど胃の裏あたりがつっぱったり、痛くなったりすることもあります。消化不良があり、すこしのことですぐ下痢をします。
 下痢便はすっぱいにおいがしたり、脂肪が浮いて見えることがあります。いずれにしても症状として多いのは、みずおちを中心にした左右の痛みで、これは膵管のなかの圧力が高くなるためで、時に背中や肩へ痛みが走ります。そのほかに、体重減少、吐き気、吐きもどし、腹のはった感じ、食欲のおとろえ、黄疸(おうだん)がみられることがあります。
 また急性膵炎様の激しい上腹部の痛みが生じることもあります。慢性膵炎が土台にあるため、このような痛みが反復することもあります。
 X線検査や、超音波(エコー)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査で膵臓のなかの膵管に膵石がみられることも多く、パンクレオザイミン・セクレチン試験で膵臓のはたらきが弱っているのがわかります。血液、尿のアミラーゼは、痛みの発作時以外には多くなっていません。

[治療]
 病気の原因の多くは酒の飲みすぎ(日本酒なら1日3合以上、10年以上の常飲者)、胆石症、急性膵炎と考えられていますので、過労を避け、酒と脂質(1日30g以下)を制限します。消化酵素薬を服用します。
 慢性膵炎の痛みは、膵管(膵液を十二指腸に送る管)のなかの圧力が高くなるためと考えられるので、膵管と腸とをつないで、圧力を下げる手術がおこなわれたり、痛みの原因が膵頭部にあるという考えから、膵頭部を切除することもあります。膵石が存在する場合には、手術時にできるかぎり取り除きます。
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