下腹部の鈍痛 家庭の医学

 下腹部の症状をうったえる病気のなかでは、過敏性腸症候群(IBS)がもっとも多いものです。症状としては、下痢や便秘などの便通異常が多く、しばしば腹痛や腹部の不快感を伴います。特に左側の腹部から下腹部にかけての痛みが多く、ストレスによって悪化することもよくあります。
 下腹部がじわじわ痛む場合、最近ふえているクラミジア(性感染症の一種)も心配です。
 右下腹部にときどき痛みがあるものには、慢性虫垂炎、クローン病などがあります。これに対して、慢性の下痢で下腹部痛を伴い、夜間にも便意で目覚める、あるいは血がまじることがあるのは、慢性の腸炎(潰瘍性大腸炎、クローン病)、大腸がんなどがあげられます。
 婦人科の病気や、泌尿器科の病気(膀胱炎など)でも下腹部が痛みます。

■養生法
 医師の診断を受け、適切な治療、対応をしてもらうのがよいでしょう。過敏性腸症候群などでは、ストレスを避け、おなかを冷やさないようにします。

(執筆・監修:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 名誉院長 大西 真)

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