胃酸過多症〔いさんかたしょう〕

 胃酸過多症は、医学的な病名ではなく胸やけや胃酸の口腔(こうくう)内への逆流が自覚される場合に用いられている病名です。胃酸の実際の分泌が必ずしも多くなくても、胃から食道への逆流が起これば胃酸過多は自覚されます。また、食道への逆流はおなかの出た人に多くみとめられます。
 治療は神経性胃炎や逆流性食道炎に準じてH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)やプロトンポンプ阻害薬(PPI)を投与して胃酸の分泌を抑えたり、胃の運動を活性化する薬剤を投与して食道への逆流を防ぎます。神経性胃炎逆流性食道炎の一症状であることも多いです。

(執筆・監修:順天堂大学大学院医学研究科 教授〔食道胃外科〕 梶山 美明)
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