胃下垂症〔いかすいしょう〕 家庭の医学

 胃下垂症とは立った状態で、胃が下方に下がり骨盤のほうまで達する状態をいいます。

[症状]
 指摘されなければほとんどは無症状です。上腹部の不快感やもたれ、膨満(ぼうまん)感などのおなかの症状に加えて、めまい、倦怠(けんたい)感などの自律神経の症状をうったえることもあります。

[治療]
 胃下垂症には病的意義はなく基本的には治療は必要ありません。十分にカウンセリングをおこなうことがもっとも大切です。それでも症状をうったえる場合は、消化管の運動を高めて胃内容物の停滞を防ぐ薬剤をのむこともあります。

(執筆・監修:順天堂大学大学院医学研究科 教授〔食道胃外科〕 梶山 美明)
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