慢性腸炎〔まんせいちょうえん〕

[原因]
 慢性の経過をたどる感染性腸炎の原因には、腸結核、カビの一種である放線菌による放線菌症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛(べんもう)虫という寄生虫によるランブリアなどがあります。
 非感染性腸炎の原因には、腹部に放射線治療をおこなったときに起きることがある放射線照射性腸炎の慢性型、潰瘍性大腸炎やクローン病などがあります。

[症状]
 比較的長期にわたって下痢などの便通異常が続きます。ただし、この症状を伴っても慢性腸炎ではなく過敏性腸症候群(IBS)や吸収不良症候群のこともあります。

[治療]
 感染性腸炎では抗菌薬、非感染性腸炎のときは副腎皮質ステロイド薬を使うこともあり、原因によって治療法が異なるため医師による診断が必要です。食事療法の効果は原因によって異なりますが、一般的には刺激物は避けるようにします。

(執筆・監修:医療法人社団哺育会 桜ヶ丘中央病院 外科部長 榎本 雅之)
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