橈骨遠位端骨折〔とうこつえんいたんこっせつ〕

 手をついて転倒すると受傷します。前腕の2本の骨のうち、手くびの親指側にある橈骨の圧痛、腫脹、疼痛(とうつう)、変形がみられます。X線検査にて診断します。受傷機転や骨折のようすで以下のように分類されます。
・コリーズ(コレス)骨折…手のひらをついて受傷したときに生じ、手根骨や橈骨遠位骨片は背側(甲側)へ転位し、手くびはフォーク状の変形となります。

・スミス骨折…手の甲をついて受傷したときに生じ、コリーズ骨折とは逆に手根骨や橈骨遠位骨片は掌側へ転位します。

・バートン骨折…関節面を含む骨片とともに手根骨が転位した(ずれた)もので、橈骨背側の骨片とともに背側へ転位する背側バートンと、掌側骨片とともに掌側(しょうそく)へ転位する掌側バートンがあります。

[治療]
 転位した状態を戻す整復操作をおこないます。よい整復位が得られれば、ギプス固定をおこないます。整復位の保持がむずかしい場合や関節内の骨折でずれがある場合、粉砕骨折で5mm以上橈骨に短縮が生じる場合は手術をおこないます。
 正中(せいちゅう)神経まひ(手根管症候群)が生じることがあるので注意を要します。

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