脳器質性精神障害(認知症など)
- 解説
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脳組織の器質的な異常が原因で、精神のはたらきにいろいろな障害が出てくるものを、脳器質性精神障害といいます。記憶障害や見当識障害など認知面にあらわれる症状とともに幻覚、妄想、興奮などの症状もよくみられます。
わが国は、先進工業国のなかでも例をみないほどに高齢化のスピードが速く、それだけに認知症への取り組みが社会的な関心事になっています。認知症の原因疾患は、大きく分けて神経変性疾患(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など)とそれ以外の疾患(脳血管性認知症など)に分かれます。頻度としてはアルツハイマー型認知症がもっとも多くみられます。
(執筆・監修:高知大学 名誉教授/社会医療法人北斗会 さわ病院 精神科 井上 新平)