医療機器選定を巡り業者から賄賂約５０万円を受領したとして、警視庁捜査２課は１９日、収賄容疑で、東京労災病院の整形外科副部長、浅沼雄太容疑者（４１）＝東京都大田区大森南＝を逮捕した。
　贈賄容疑で、医療機器メーカー「ＨＯＹＡ　Ｔｅｃｈｎｏｓｕｒｇｉｃａｌ」前営業部長の小野田大（４６）＝八王子市鹿島、社員の加藤高彰（３９）＝仙台市泉区旭丘堤＝両容疑者も逮捕。同課はいずれの認否も明らかにしていない。
　浅沼容疑者の逮捕容疑は２０２２年１～４月ごろ、東京労災病院で同社製インプラントを優先的に選定、使用する見返りに、複数回にわたり、現金計約５０万円を受領した疑い。
　同病院は独立行政法人「労働者健康安全機構」が運営。職員は「みなし公務員」として収賄罪の対象となる。
　捜査２課によると、浅沼容疑者は小野田容疑者らと、インプラントを１本使うごとに１ポイント（１万円相当）がたまる仕組みで合意。浅沼容疑者の私的な飲食費などの領収書の金額と、たまったポイントを交換する形で現金を受け取っていた。
　浅沼容疑者は、加藤容疑者が同病院の営業担当となった１８年春ごろから、接点を持ったとみられる。同課は他にも同様の取引を繰り返していた可能性があるとみて、詳しく調べる。
　同病院は１９４９年５月に設立された。「地域医療支援病院」や「都災害拠点病院」の指定を受けており、病床数は４００床、職員数は約６５０人。浅沼容疑者は１３年４月から同病院で勤務し、２１年４月、整形外科副部長に就いた。
　東京労災病院の担当者は「警察の捜査に全面的に協力し、再発防止に努めたい」とコメントした。　（Ｃ）時事通信社