こども家庭審議会(首相の諮問機関)は、子どもの貧困問題への対策強化に向けて、ワーキンググループ(WG)を今秋にも新設する方針だ。子どもの貧困対策を巡っては、自治体が子ども食堂の運営を支援するなどしているが、WGで実施状況を調査・分析し、取り組みを加速させるための方策を話し合う。必要に応じて国から自治体への補助事業の内容見直しも検討する方向だ。
 WGは、同審議会の「こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会」の下に設置。部会の委員を務める有識者らで構成し、自治体関係者にも意見を募る考えだ。
 6月に超党派の議員立法で成立した改正子どもの貧困対策推進法は、名称を「こどもの貧困の解消に向けた対策推進法」に改め、貧困の「解消」を目指すことを明確にした。これを踏まえ、WGでは子どもの学習や生活、居場所づくりといった各分野で取り組みの強化策を探る。
 また、同部会の下には、ひとり親家庭の支援に向けたWGも設置する方針だ。民法の改正により、2026年度から離婚後も父母双方が子の親権を持つ「共同親権」が導入される。これを受け、養育費確保や家庭内暴力(DV)対策などについて議論。国が定めるひとり親家庭支援の基本方針への反映を目指す。 (C)時事通信社