臓器の枠越え診断 =横断的に対処―総合診療科
◇あらゆる症状に対応
「総合診療科には痛み、熱、しびれ、苦しさなど、あらゆる症状の訴えでかかることができます」と瓜田教授は語る。どこの病院に行っても分からない症状について、料金は掛かるがセカンドオピニオンのために総合診療科を利用できる。今までの医師に検査資料と紹介状をもらってから受診するとなお良い。
専門科よりも問診を重視し、幅広い患者情報が必要となる。服薬歴、家族歴、生活歴、症状などのメモがあると、より正確な診断が可能だ。これらの情報を「変化」に着目して作成するとよいという。
総合診療科は、都市部の大病院にのみあるわけではない。地域診療所も地域の中核病院や大学病院、周辺の医療資源などとネットワークを構築しながら、患者を全人的に診断・治療し、地域でできる最善の治療を模索している。
「『病名』は人間が考えた分類にすぎません。医師や患者が『この病気ならこの治療でいいはずだ』と安心するためのものという側面もある。病名が付かなくても、症状がなくなることはしばしばあります。一般の方にもどんどん総合診療科を利用してほしい」と、瓜田教授は強調する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2016/12/15 11:02)