治療・予防

男性も注意したい骨粗しょう症
生活習慣病の高齢者は高リスク

 骨粗しょう症は閉経後の女性に多い病気だが、実は男性も発症する。骨粗しょう症が原因で骨折を起こす割合は女性より少ないが、骨折すると女性より重症化しやすいため、予防や早期発見が重要となる。

 ▽患者の4人に1人は男性

 骨粗しょう症は、骨の密度が低下し、骨の質が劣化することで骨折しやすくなる病気だ。高齢化に伴って患者が増え、骨折の発生数も右肩上がりで増えている。

続発性骨粗しょう症の危険因子と予防法

 推定患者数は全国で約1300万人で、うち女性が約1000万人、男性は約300万人。帝京大学ちば総合医療センター(千葉県市原市)内分泌代謝内科の井上大輔教授は「骨粗しょう症患者の4人に1人が男性であり、決してまれではありません」と指摘する。

 閉経後女性に起こる骨粗しょう症は、加齢に伴うホルモン減少が原因だが、男性では特定の病気や薬などにより起こることが多い。井上教授は「糖尿病、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)、動脈硬化性疾患などの生活習慣病、慢性腎臓病、炎症性腸疾患、肝硬変などで骨が弱くなる『続発性骨粗しょう症』と呼ばれるタイプが、男性の骨粗しょう症患者のほぼ半数を占めます」と説明する。高齢で生活習慣病を合併している人や、多種類の薬を飲んでいる人に多い印象があるという。

 ▽重症化しやすく、高い死亡率

 男性の場合、骨折すると、死亡リスクの上昇や生活への支障度が女性より深刻になるため、注意が必要だ。井上教授は「男性の骨折発生率は女性の3分の1程度ですが、骨折後に寝たきりになったり、死亡したりする人の割合が女性に比べて圧倒的に多く、重症化しやすいのです」と話す。さまざまな合併症を抱えて全身が弱っているため、骨折のダメージがより強く表れることが原因として考えられるという。「生活習慣病を抱えている男性は、元の病気の治療に加えて、骨粗しょう症の予防が重要です。早期発見のために、骨密度検査を受けてみるのもよいでしょう」と井上教授。

 骨粗しょう症を防ぐためには、日頃どのようなことを心掛ける必要があるのか。井上教授は「体操やウオーキングなどの運動に加えて、ビタミンDを体内で合成するために日に当たることが大事です。食事面では、カルシウムが多く、吸収の良い乳製品を積極的に摂取しましょう。サプリメントで補う手もあります。インスタント食品や塩分の多い食べ物は控えめにしてください」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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