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高温下での血圧変化
長期的な測定が重要

 7月後半の遅めの梅雨明け以降は「災害級」といわれる高温が続き、各地で熱中症により救急搬送される人が相次いだ。高温下では、放熱のために末梢(まっしょう)血流を増やすために血管が拡張すると同時に、発汗により体内の水分が減少する血管内脱水も合わさって、血圧は低下する。このような状態を経て高血圧症=用語説明参照=に備える血圧管理をどうすればいいか、日本高血圧学会で高血圧症の治療ガイドラインの編纂にも携わった東京医科大循環器内科の冨山博史教授に聞いた。

診察室前に2台設置されている血圧計(東京医科大病院提供)

 ◇2台の血圧計

 「今年のような猛暑では、健康な人でも血圧が10%程度下がっても不思議はない。多くの人は最高値、最低値共に血圧が2~5mmHg前後の変動にとどまり、低血圧などの心配はない。むしろ、1週間や1カ月の間にどのような変化があったかどうかに注意したい」と冨山教授は語る。

 前提として、毎日家庭で血圧を測定していることが大切になる。一日の数字に一喜一憂せずに、傾向として把握することが有効だからだ。冨山教授が診察する同大病院の診療窓口には2台の血圧計が設置され、血圧測定の重要性を無言で示している。

 ◇脱水の危険

 既に高血圧症と診断され、血圧を下げる降圧薬を服用している場合は血圧低下への注意が必要だ。体内の水分を減らしてむくみを減らす作用から降圧薬として多用されている利尿薬は、脱水の危険があるので処方を控える必要がある。

家庭でも定期的に測定を

 また利尿薬以外の作用メカニズムの薬であっても、複数の薬が出ている場合は薬の数を減らしたり、それぞれの薬を薬用成分の少ないものに変更したりするなどの処置が必要になるケースもあるという。

 「ただ、患者が勝手に服用をやめたり、減らしたりすることは厳禁だ。家庭での測定結果を主治医に告げて相談し、その上で医師の決定に従ってほしい」と冨山教授はくぎを刺す。特に、腎機能障害や循環器にも病気がある場合や、糖尿病を合併している場合には、家庭での測定結果に大きな変化がなくても、1~2カ月に1回程度は医師の診察を受けた方がよいだろう。

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