医学生のフィールド

「コロナうつ」予防は一人で抱え込まないこと
オンラインカウンセリングをもっと身近に―桜本真理氏
【医学生インタビュー】

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策で私たちの生活は一変した。イベントの中止、外出自粛、休校、在宅勤務と経験のない事態の連続に戸惑いや不安を覚えても、人と会って話すこともままならない閉塞感。メンタルケアのニーズが高まる中、この分野でもコロナ対策の長期化に備えた新たな対応が急務だ。オンラインカウンセリング事業を展開する「cotree」の桜本真理社長に東京大学医学部5年小坂真琴さんがメールで質問を送り、回答を得る形式でインタビューした。(構成・稲垣麻里子) 

 桜本真理社長(cotree提供)
 ―新型コロナウイルス感染症のための自粛でフラストレーションやストレスを抱えている人が増えていると思います。「コロナうつ」という言葉も耳にするようになりましたが、心身の不調を訴えている方々の現状はいかがでしょうか。

 コロナで苦しさを抱えている方は増えています。cotreeのオンラインカウンセリングの利用件数も2月より3月が30%増え、 4月はさらに20%増加しています。経営者の方と話をしていても、コロナ関連でメンタル不調のスタッフが出てきたと聞きます。不調の方はこれからもさらに増えてくると思います。

 ―どのようなことがストレッサー(ストレスの原因)となり、メンタル不調に結びついているのでしょうか。

 新型コロナによって、社会全体の仕組みやライフスタイルが大きく変わってしまいました。直面する課題に対し、今までの思考の枠組みでは乗り越えられないことも多々あり、適応できずに悩むことも出てきます。今までの日常ではなくなった「変化」自体が大きなストレスなのです。

 生活リズムの変化、家族関係の変化、コミュニケーションの変化、労働環境の変化があり、さらには逃げ場を失う、将来不安や経済的な不安といったさまざまな要因でストレスが増大し、メンタルヘルス悪化につながっています。

 ストレスは人によって反応しやすい人もいれば、そうでない人もいます。自分は大丈夫だと思っていても、知らず知らずのうちにストレスをためてしまっていたり、周囲の人がストレスを抱えていたりする可能性もあります。まずは「ストレスを感じている」ということに気づくことが大切です。

 ―自分や自分の仲間がストレスを感じていると思ったら、どう対処すればよいのでしょうか。

小坂真琴さん
 ストレスを感じていることに気づいたら、その原因を探ります。その原因や問題を自分の力で解決(コントロール)できることと、自分では解決(コントロール)できないことがあります。自分で解決できないことでも、一人で抱え込まず、思いや感情を誰かに打ち明けたりすることで、道筋が開けてくることもあります。また一時的に問題から回避して気分転換やリラクゼーションを行うなど、ストレスをため込まない方法を探ってみるとよいでしょう。

 仲間のストレスに対して周りができることは、その人の変化を察知し受け止めてあげることです。自分の周りの人が何かおかしいと思ったら声をかけて、「調子はどう?」って声をかけてみる。そのときに励ましたり、アドバイスをしたり、解決したりしようとする必要はありません。「気にかけているよ」ということを伝えて、本人が話したいと思ったときにはしっかりと聞いて、寄り添ってあげてください。

 必要に応じて専門家を紹介することも一つの方法です。今の時代、現代人の多くはストレスを抱えているので誰もがメンタル不調になる可能性があります。不安や不調を感じたとき、身近な人に助けを求めることもできますが、カウンセラーのような専門家の存在も知っていただきたいですね。

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