医学生のフィールド
研修病院のリアルな情報聞くオンライン説明会
「主体的に学べる環境、高いスキル習得を」―三井記念病院
◇1年目から担当医に、身に付く臨床的な判断力
「研修医は1年目から先輩の研修医とペアを組んで、担当の患者さんを持ちます。担当医として診療を行い、治療方針を考えるので、臨床的な判断力が身に付きます」
医学生団体が企画した三井記念病院に関するオンライン説明会で、同病院の教育研修担当、新長三七三さんは、研修医が主体的に学べる環境が整っていることを強調。研修医の先名康喜さん(外科プログラム2年目)、西村陽平さん(内科プログラム2年目)も「主体的に患者さんを診ることができる」と口をそろえた。
聞き手は、杏林大学医学部4年藤野桃子さんと同2年石ケ森威彬さん。
―新長さん、研修プログラムの特徴について教えてください。
プログラムAは、2年間で外科をメーンに研修します。そのあとは基本的に引き続き当院で3年間専門研修を行い専門医取得を目指せるので、最低5年は三井で頑張ろうという心意気を持つ方にぜひ受けてほしい。プログラムBは、2年間で内科メーン。外科同様、専門研修も三井で行いたいという方にぜひ受けてほしいですが、特に循環器・消化器・腎臓などを志望する方は、早い段階で高いスキル習得が可能なため、お薦めです。プログラムCは2年間で産婦人科または泌尿器科を選択し重点的に研修します。専門研修は東大プログラムと連携しています。
―ある程度、志望する診療科が決まっている人にとっては魅力的ですね。
新長 もう一つの特徴としては、主体的に学べることです。
指導医の後ろについて指示に従うのではなく、患者さんの担当医として診療を行い、治療方針を考えます。研修医の裁量が大きいため臨床的な判断力が身につきます。当院の研修医は早いうちから全身を診ることができると外部からの評価も高いです。
◇重視するのは自主性、協調性、熱意
―研修医の採用に当たってはどのような点を重視されていますか。
新長 重視していることは三つあります。まずは「自主性」です。主体的に患者さんを担当するため、自ら学ぶ姿勢は必要です。次に「協調性」です。同期が自分を含め11人になるので、互いに協力して学びを深めてほしいです。
―全国各地から採用されるのでしょうか。また倍率についても教えてください。
新長 学閥などはなく、全国の大学から採用実績があります。直近3年間の実績では、北は岩手医科大学、南は鹿児島大学と、全国から医学生が集まっていて倍率は例年3~5倍です。「どこの大学だから入りやすい」とか「先輩がいるから入りやすい」というようなことは一切ありません。
―希望すれば研修中に研究する機会もあるのでしょうか。
新長さん 臨床研修の間は、臨床研修に集中する方が多いです。もちろん研修終了後は研究に注力される方もいます。アカデミックな分野に精通している方も大勢いますし、病理解剖数も2019年度実績で年間35件と比較的多いので、将来的によい刺激が受けられる環境だと思います。
―留学へ行くチャンスはあるのでしょうか。
新長さん もちろんです。ただ、留学についても臨床研修中は研修に専念し、専門研修に入って5年目ぐらいから海外の学会に参加し、その後、留学するケースが多いです。特に循環器内科は毎年のようにスタッフが留学しています。海外につながりを持つ医師も多いため、渡航先については相談にも乗ってくれます。
■三井記念病院■
東京・秋葉原に1906年に開設された歴史のある市中病院。病床数は482床、職員数は1600人前後で医師は約300人弱。その3分の2が常勤でそのうちの60人が臨床研修指導医の資格を持っている。2019年の手術数は6584件、救急車搬送数は2787件、平均病床稼働率は82%。研修医の出願受け受けはホームページ(HP)で開始し、8月下旬に採用試験が行われる。なお現在、病院見学は通常通り個別に申し込み受け付け中。
(2020/07/20 07:00)