治療・予防

赤みのある湿疹やフケ―脂漏性皮膚炎
誤診されるケースも(帝京大学医学部皮膚科名誉教授 渡辺晋一医師)

 髪の生え際を中心とする頭皮、両眉毛から鼻筋にかけてのいわゆるTゾーン、鼻の両脇、耳の後ろ、脇の下、胸、股間などは、皮脂の分泌が多い。そうした部位に、赤みのある湿疹や油っぽいフケが生じる病気が脂漏性皮膚炎だ。

脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌が多い部分に生じやすい

 ▽左右対称が特徴

 皮脂には本来、乾燥や物理的刺激から皮膚や毛髪を守る役割がある。だが、その分泌が過剰になると、皮膚に常在するマラセチアというカビ(真菌)が皮脂を栄養源に増殖し、皮膚の炎症を引き起こすと考えられている。患部には赤みがかった湿疹があり、やや黄みを帯びた湿り気のある皮膚、または乾燥したうろこ状の皮膚が剥がれ落ちる。

 帝京大学医学部皮膚科名誉教授の渡辺晋一医師によれば、脂漏性皮膚炎では軽いフケ症が少なくないが、症状が似ている別の病気を脂漏性皮膚炎と誤診しているケースがあるという。「頭部や顔面に生じた湿疹が脂漏性皮膚炎と診断されてしまうことがあります。脂漏性皮膚炎は、左右対称に症状が出るのが特徴です。また、通常はあまり強いかゆみを伴いません。本当に脂漏性皮膚炎であれば、抗真菌薬のニゾラールが有効です。これらに該当しなければ、脂漏性皮膚炎ではないでしょう」

 乾いたフケだけが出る場合は、粃糠疹(ひこうしん)や乾性脂漏(かんせいしろう)と呼ばれるいわゆるフケ症のこともある。アトピー性皮膚炎などの湿疹でも一見、似た皮膚症状を呈することがある。渡辺医師は「脂漏性皮膚炎ではない湿疹に抗真菌薬を使うと、かえって悪化します」と注意を促す。

 ▽洗髪の仕方にも注意

 頭部や顔面の湿疹で、適切な治療を続けてもよくならない場合は、洗髪やブラッシングで皮膚を傷つけているなど、生活習慣に問題があることが多いという。頭がかゆかったり、フケが出たりするのは、頭皮が汚れているからだと思い込み、強く洗い過ぎたり、かきむしったりしてしまう。皮膚が傷つくと、治る過程で強いかゆみが生じて症状が悪化し、治りにくくなる。

 渡辺医師は「頭や顔は、優しくなでるように洗いましょう。テレビコマーシャルの影響か間違った認識の人が多いのですが、洗髪時に頭皮をごしごしこする必要はありません。また、油を含む整髪料の使用は控えたほうがいいでしょう」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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