治療・予防

繰り返すと視力低下の原因に―角膜ヘルペス
再発の兆候を素早くつかみ治療を(東京女子医科大学病院眼科 高村悦子医師)

 角膜ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)が角膜に感染して発症する病気だ。治療が不十分だったり重症化したりすると、視力の改善が難しくなることもある。東京女子医科大学病院(東京都新宿区)眼科の高村悦子医師は「再発を繰り返すので、その都度しっかりとした治療をすることが再発と視力低下の予防につながります」と強調する。

角膜ヘルペスの主な病型は二つ

 ▽目の充血やかすみ

 HSVは多くが幼児期に感染し、大半が無症状だ。高村医師は「HSVには2種類あり、角膜ヘルペスや口唇ヘルペスは1型(HSV―1)、性器ヘルペスは主に2型(HSV―2)です。帯状疱疹を起こす水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)とは違います」と説明する。

 自覚症状は、目がゴロゴロして充血したり、かすんだりする。なかなか治らず、視力低下を訴えて受診する患者が多い。角膜ヘルペスには主に二つの病型がある。角膜の表面に枝状の潰瘍ができる上皮型と、中まで炎症が進み角膜に濁りやむくみが生じる実質型だ。

 「角膜の検査を行うと、前者は感染した角膜の細胞が樹木の枝のように見え(樹枝状角膜炎)、後者は角膜が腫れて濁っています(円板状角膜炎)」。角膜の表面を軽くこすり、ウイルス検査をすることもある。

 ▽眼軟こうを使用

 樹枝状角膜炎の治療は、抗ウイルス薬の眼軟こうを1日5回塗布する。下まぶたを引いて軟こうを付け、目を閉じて全体に広がるまで少し待つ。これを2週間継続する。「少し大変ですが、感染症の治療は最初が肝心です。しっかりと治療をすることで再発を減らせます」。円板状角膜炎では、ステロイドの点眼薬も併用する。この場合、治療期間は長引き、月単位で経過を診る。

 ヘルペスウイルスは、症状が治まっても神経が集まる神経節という部分に潜み、再発を繰り返す。「角膜ヘルペスは同じ側の目に再発します。予測はできませんが、寒くなる季節の再発が多いようです」。その都度しっかりと治療して、定期的な受診で再発の兆候を早くつかむことが大事だという。

 高村医師は「転居などで医療機関を変えたときは、角膜ヘルペスの病歴を伝えると治療がスムーズでしょう」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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