えっ、大人だけじゃないの? =気付きたい子どもの片頭痛
頭がズキンズキンと脈打つように痛い、嘔吐(おうと)や吐き気で動くのもつらい片頭痛は、大人だけでなく、小さな子どもにも起こる。小児頭痛外来がある東京医科大学病院(東京都新宿区)小児科の山中岳講師は「頭痛を訴える小学生や中学生に詳しい話を聞くと、実は小さいころから頭痛があったと分かるケースもあります」と話す。
◇片頭痛なのに頭の両側に
片頭痛は何らかの刺激で収縮した脳の血管が膨張することなどで起こる。音や光などの刺激で痛みが増幅し、嘔吐や吐き気を伴うこともある。子どもは大人と比べて、持続時間が短い、両側に起きる、拍動感がはっきりしない―といった特徴がある。
幼少時には性差はほぼないが、思春期以降はホルモンの関係で女性に多く見られるという。遺伝的要素があり、両親や祖父母に片頭痛があるケースが多い。
5歳以下の約20%に頭痛が起こっているという研究データもあるが、自分の症状をうまく伝えられない幼児は、親に頭痛を訴えることは難しい。
「片頭痛になると、光や音の刺激に過敏になります。元気だった子がおとなしくなり、好きなテレビ番組を見るのをやめたり、暗い部屋でじっとしていたり、布団に入り横になったりします」と山中講師は説明する。
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(2016/09/27 16:25)