マイボーム腺機能不全に注意
ドライアイ患者の8割以上発症
まぶたにある皮脂腺の働きが何らかの原因で低下する「マイボーム腺機能不全」は、目が乾く、疲れる、痛い、ゴロゴロするなどの不快な症状が表れる。ドライアイの患者の8割以上がマイボーム腺機能不全であるとも言われている。その原因や治療法について、伊藤医院(さいたま市)の有田玲子副院長に聞いた。
◇加齢が主な要因
涙の中にわずかに含まれている脂が涙の表面に膜を作り、水分の蒸発を防いでいる。その脂を分泌するのが、まぶたの中にあるマイボーム腺だ。
まぶたには上下合わせて40~60ものマイボーム腺があり、まばたきをするたびに脂が分泌され、目の潤いが保たれている。マイボーム腺が詰まったり壊れたりすると、脂の分泌量が減り、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイになる。主な原因は加齢だが、生活習慣の影響も大きいという。
「脂っこいものを取り続けていると、マイボーム腺の中で脂が変性して詰まりやすくなります。汚れた手で目をこするなど、まぶたの不衛生も問題。雑菌が入り、マイボーム腺が炎症を起こします」と有田副院長。
さらに注意したいのがコンタクトレンズ。まばたきのたびにレンズが目の中で動き、マイボーム腺を傷つけてしまうからだ。「マイボーム腺機能不全は、現代人の生活そのものがつくりだしている側面が大きい」と、有田副院長は指摘する。
(2018/05/06 12:10)