教えて!けいゆう先生

いぼ痔ができやすい人とは?
検査、病院に行くべき症状

 いぼ痔で悩んでいて、病院に行くべきか迷っている方は多いのではないでしょうか。痔は他人に見せづらい場所にできるだけに、病院に行かずに自分で治したい、市販の薬で対処したい、と考える方は多いようです。今回はいぼ痔について分かりやすく解説します。

 ◇痔核とはどんな病気?

病院に行くべきか迷っている方は多いのでは
 「いぼ痔」は正確には「痔核(じかく)」と呼び、「切れ痔(裂肛)」や「痔ろう」とは異なる疾患です。肛門にイボのような腫れ物ができ、痛みや出血の原因となる病気です。肛門を「歯状線」というラインで外側と内側に分け、内側にできるものを「内痔核」、外側にできるものを「外痔核」と分類します。

 ◇痔核にかかりやすい人とは?

 痔核に一度もかかったことがない人もいれば、何度も繰り返してしまう人もいます。痔核の発症リスクは生活習慣にあると考えられています。一つは排便習慣です。痔核は排便時に毎回いきむ、トイレに長時間座っている、といった習慣が発症リスクになると報告されています。

 もう一つは食事や運動の習慣です。野菜摂取が少ない方や、重いものを運ぶ方、長時間座ったままのことが多い職業の方、ゴルフなどスポーツでいきむ機会が多い方は痔核になりやすいとされています。

 排便時にいきんだり、トイレに長時間座ったりするのは、便が固くて出にくいためであることが多く、便が固くなる要因の一つが食物繊維の摂取不足です。痔核を治療しても、こうした生活習慣が続けば何度も痔核にかかる恐れがあります。

 なお、痔核が遺伝するかどうかについては、はっきり分かっていません。痔核の方は、家族に痔核を持つ方が多いことが知られていますが、遺伝的要因というより、共通の生活習慣によって影響を受けていると考えられています。

 ◇痔核の症状とは?

 痔核の症状として多いのは、出血、痛み、脱出、かゆみ、粘液の漏れなどです。排便のたびに多量に出血し、貧血の原因になる人もいます。また、「脱出」とは、肛門内におさまっていた痔核が肛門の外に飛び出してしまう状態です。

 排便時に脱出することが多いですが、中には歩行時やしゃがんだ時に脱出する、という方もいます。脱出するたびに自分で押し戻している方もいれば、脱出したままになり手で戻せなくなっている、といった重度の痔核の方もいます。

 ◇何科に行くべきか?

 このような症状で困っている方は、まず病院に行き、肛門を診察してもらいましょう。行くべきなのは、肛門科や肛門疾患を診療できる外科です。肛門疾患は専門性が高く、「外科」(あるいは「消化器外科」や「一般外科」など)を標榜していても、肛門疾患の治療は行っていない、という病院は多くあります。

 その場合、肛門疾患が疑われる患者さんは肛門科のある医療機関に紹介する、という形をとるため、結果的に二度手間になるリスクがあります。病院のホームページで、肛門疾患の診療を行っているかどうか確認してから受診するのも一つの手です。

 ◇痔核の治療とは?

 痔核の治療は、実際に診察して判断できる病変の大きさや重症度、症状によって決まります。軽いものであれば、ご本人と相談の上、生活習慣の改善を指示し、薬での治療を試みます。生活習慣の改善とは、先に説明した痔核のリスクをできるだけ排除するよう努めていただく、ということです。

 便秘がひどい方は、これが排便時のいきみの原因にもなるため、便秘薬(緩下剤)を処方するケースもあります。また、薬の治療には、内服薬(飲み薬)と外用薬(ぬり薬)があります。局所の炎症を抑えたり、血液の循環を改善したりすることで、腫れや脱出、痛み、出血などの症状を緩和する効果があります。

 一方、重症度によっては外科治療が必要なケースもあります。外科治療の中には、痔核を切り取る「結紮切除術(Milligan-Morgan法)」や「ゴム輪結紮療法」と呼ばれる方法、痔核に薬を注射して痔核をつぶしてしまう「硬化療法」という方法などがあります。

 それぞれにメリット・デメリットがあり、ケース・バイ・ケースで使い分けられています。治療方針は、診察した医師と十分に相談して決めましょう。

 今回はいぼ痔について解説しました。自己判断での治療は避け、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。

(参考文献)
肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン 2014年版/日本大腸肛門病学会

教えて!けいゆう先生