治療・予防

野球のボールで心室細動=突然死招く心臓振とう

 ◇AEDや胸骨圧迫を
 命を救うために必要なのがAEDだ。けいれんして血液が送り出せなくなっている心臓に電気ショックを与え、正しいリズムを取り戻す。「AEDが生死を左右すると言っても過言ではありません。3分以内に電気ショックをかけることができれば、ほぼ助かります」と輿水教授は説明する。

 AEDの無い場所で子どもが倒れたら、胸骨圧迫などの心肺蘇生が必要だ。「居合わせた人たちで胸骨圧迫ができるよう、保護者らも救命講習を受けてください。命の大切さを知る機会にもなるはずです」と輿水教授は説く。試合や練習の現場にAEDを持参し、自分たちの命は自分たちで守るという意識が大事なのだという。

 「心臓振とうは日常のささいなシーンで起こります。自分の子どもだけは大丈夫と過信せずに、起こることを想定して、選手や保護者も交えたシミュレーションを日頃から行うことが、子どもたちの命を救うことにつながります」と輿水教授は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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