治療・予防

長期の鼻詰まりで疑う肥厚性鼻炎
集中力や睡眠にも影響

 風邪に伴って生じる急性の鼻炎は長引いても3週間ほどで治まるが、鼻詰まりなどの症状がそれ以上続くようであれば肥厚(ひこう)性鼻炎かもしれない。ひろしば耳鼻咽喉科(京都府京田辺市)の荻野枝里子医師は「鼻詰まりが慢性化していると感じたら耳鼻咽喉科を受診してください」と勧める。

鼻が詰まってつらいと感じたら、耳鼻科に相談しよう

 ▽原因は鼻粘膜の炎症

 肥厚性鼻炎は、鼻腔(びくう)にある下鼻甲介(かびこうかい)という部位の粘膜が肥大して空気の通り道をふさぎ、慢性的な鼻閉(鼻詰まり)状態を引き起こす病気だ。鼻で呼吸しにくく、常に口呼吸となるため、寝付きが悪くなり、睡眠時にはいびきをかいたり無呼吸状態になったりすることもある。また、粘り気のある鼻水がたまり喉に落ちることでたんやせきが増え、日中の集中力も低下する。

 肥厚性鼻炎の原因は、長期にわたる鼻の粘膜の炎症だ。炎症は、花粉症などのアレルギー性鼻炎や、鼻中隔という二つの鼻の穴の間の仕切りが大きく曲がっている鼻中隔彎曲(わんきょく)症などで起こる。「血管収縮薬の入った点鼻薬を長期間日常的に使用していると、薬の刺激から肥厚性鼻炎を引き起こしてしまうことがあります」と荻野医師は注意を促す。

 ▽症状から治療法を決定

 肥厚性鼻炎の治療は症状により、一般的には薬物治療、レーザー治療、もしくは手術が選択される。薬の場合、ステロイド点鼻薬や抗アレルギー薬を使用して炎症を抑え鼻詰まりを解消する。レーザー治療は肥大した下鼻甲介の粘膜をレーザーで焼灼(しょうしゃく)して縮めるものだ。

 薬やレーザーによる治療で症状が改善されず、鼻腔がほとんどふさがっている場合は、手術を行うことが多いという。下鼻甲介の内部にある下鼻甲介骨を切除する「粘膜下下鼻甲介骨切除術」という手術で、空気の通り道が確保できるようになる。また、下鼻甲介に分布する神経を切断することで鼻汁の量や粘膜の腫れを制御する手術(後鼻神経切断術)を組み合わせることも多い。レーザー治療は日帰りで行われるが、手術の場合には1泊程度の入院を勧められることが多い。

 「薬を飲んでも治まらない鼻詰まりが一年中続く場合や、花粉症の時期の鼻詰まりを毎年苦痛に感じる場合には、耳鼻科を受診してください」と荻野医師は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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