上肢・下肢の骨折のとき 家庭の医学

■上肢の骨折
 骨折したと思われる部分に副木を当て、上腕ではわきを密着させ、前腕ではひじを曲げて胸に密着させ、ともに三角巾(スカーフ)やシャツでつります。
 手くび付近の骨折が疑われる場合は、板のような物を手のひらに当てて固定し、できれば手くびを心臓より高い位置にします。
 指の場合は、基本的には各指をすこしずつ曲げたソフトボールをつかむような形で固定します。割りばしや木の枝を副木にする方法もあります。

■下肢の骨折
 骨盤や大腿(だいたい)の骨折では、多量の内出血で出血性ショックを起こすことがあります。水平に寝かせて、救急車を呼ぶか急いで病院に運びます。
 骨盤骨折はシーツなどの大きな布を使い、ていねいに移動します。
 大腿骨のときは、腰からひざ下まで長い副木を横に当て固定します。

 ひざの近くでは、副木をしりから下腿(かたい)までうしろに当てます。
 下腿では副木をひざ上から足くびまでうしろに当て、足くびや足の指では下腿から指まで当てます。副木がないときは段ボール箱に下腿をのせ、ガムテープで固定する方法もあります。下腿や足くび、足指の骨折では仰向けに寝かせて足を上げると、はれの予防になります。

(執筆・監修:八戸市立市民病院 事業管理者 今 明秀)

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