神経性習癖〔しんけいせいしゅうへき〕 家庭の医学

 習癖とはくせのことです。どの子にもくせはありますが、そのなかで、特に目立って固定してしまい、常にやっているものをいいます。

■指しゃぶり
 赤ちゃんは、口にさわったものを反射的にしゃぶりますが、3~4カ月になると指を口にもっていけるようになり指しゃぶりが始まります。その後、指やタオルなどをしゃぶるのはふつうのことです。ハイハイしたり、歩き出したりと活動がさかんになると、指しゃぶりは少なくなり、眠くなったりおなかがすいたときにみられるくらいになり、3歳ごろまでにはなくなります。
 3歳をすぎて指しゃぶりをするのは問題があることもありますが、ただのくせとして問題ないこともあります。子どものこころが見守れていて問題がなさそうなら、あまり神経質にならないほうがよいでしょう。

■爪かみ
 小学生のころから起こることが多く、問題ないこともありますが、指しゃぶりと違って、こころの緊張のあらわれであったり、おちつきのなさの症状のこともあります。過度な干渉により抑圧されていたり、神経質で細かいことを気にしていたり、じっとしていられないような子どもにみられます。
 爪かみをやめるようにいってもかえって緊張を増したり、他の症状であらわれることもあります。子どもの自主性に任せ、干渉や過保護を少なくし、ゆとりある生活態度をとるのがいいでしょう。

■自慰(オナニー)
 自慰は、1歳ごろからみられるようになり、女の子に多いようです。両下肢を密着して伸展し、股間を押したり、さすったり、うつ伏せになりかたいものに局部を押し付けたりし、顔をまっ赤にして、熱中すると呼んでも返事をしません。
 そのまま眠ってしまうこともあります。てんかんの発作とまちがえられることもあります。局部の湿疹やあせもなどのかゆみのため、かいているうちに覚えることが多いようです。ひとりぼっちのときや、楽しみがないときに自慰にふけることが多くあります。このようなときは、叱ってはいけません。ほかの物に興味を向けてあげるとやがておこなわなくなります。

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