エプーリス(歯肉腫) 家庭の医学

 歯肉の創傷治癒異常で、過剰の肉芽(にくげ)組織を形成する有茎性の歯肉腫瘤(しゅりゅう)をいいます。歯根膜と連続している場合も多く、あずき大から大きいものでは直径3~4cmを超えるものまであります。表面は正常粘膜色から赤色までさまざまな色調を呈します。妊娠中に一時的に生じることもあります。
 組織学的には、肉芽組織の器質化過程の時期と様相によって、肉芽腫性、血管拡張性、線維性、骨形成性のものに分けられます。
 治療は腫瘤の切除をおこないますが、歯根膜を含めた切除や同時に抜歯をおこなうこともあります。

(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
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