扁平苔癬〔へんぺいたいせん〕 家庭の医学

 さまざまなかたちの白斑(はくはん)を伴った慢性炎症性の病気で、治りにくいものです。口の粘膜だけにみられるものと皮膚にもみられるものがあります。原因ははっきりしませんが、金属アレルギー、精神的ストレス、免疫機能異常、慢性C型肝炎などとの関連が注目されています。前がん状態(口腔潜在的悪性疾患)とされています。

 中高年の女性に多く、できやすいのはほおの粘膜です。線状、網状、レース状などのさまざまなかたちの白斑と赤みの強いところがみられ、刺激による痛みを伴っています。経過が長く、治りにくいのも特徴です。

[治療]
 原因となっている刺激を除去して、経過観察をおこないます。治りにくいものでは副腎皮質ステロイド薬含有の軟膏(なんこう)が効果的なことがあります。

【参照】皮膚の病気:扁平苔癬

(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
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