顔面の外傷 家庭の医学

 縫合が必要な場合は傷あとを目立たないように治すために、できるだけ細い糸を用います。また、皮膚の深い部分を構成する真皮(しんぴ)を縫合することもあります(真皮縫合)。
 口唇(こうしん)・眼瞼(がんけん:まぶた)・まゆ毛などの創傷は、形を正しく合わせて縫合しないと、見た目がわるくなります。

■眼瞼(まぶた)
 眼瞼の皮膚は、人のからだのなかでも特に薄いため、小さい力でも外傷を受けやすい部位です。複雑な創傷で、皮膚が欠損しているように見える場合でも、できるかぎりていねいに縫合します。


■口唇(くちびる)
 転倒や打撲によって受傷した場合は、口唇を貫通する傷になることがあります。すると、自分の歯に付着した口腔(こうくう)内細菌が傷の中に入ってしまうため、感染を起こすことがあります。汚染が大きい場合は、縫合せずに治療することもあります。

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)

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