非クラミジア性非淋菌性尿道炎〔ひくらみじあせいひりんきんせいにょうどうえん〕

 淋菌とクラミジア以外の細菌による尿道炎を非クラミジア性非淋菌性尿道炎と呼びます。培養検査で同定することが困難な微生物が多く、検査で確認できないことが多いです。マイコプラズマ、ウレアプラズマなどの菌や、アデノウイルス、ヘルペスウイルスなどが、原因微生物の候補といわれています。
 症状や治療効果がある抗菌薬がクラミジア性尿道炎と似ていることが多いため、一般的にクラミジア性尿道炎と区別せずに治療開始します。

[症状と診断]
 潜伏期間は1~5週間で、比較的ゆっくりと発症し、尿道からの分泌物、排尿時痛や尿道のかゆみを生じます。クラミジア性尿道炎と比較して、症状にあきらかな差はなく、尿道分泌物はサラサラしていて少量の場合も多いです。これまでは保険診療でおこなう検査では原因微生物の同定ができないため、症状および尿または尿道分泌物中の白血球の有無で推測して診断していましたが、2022年6月にマイコプラズマ・ジェニタリウムについてはPCR法が保険適用となり、DNAを検出することで診断が可能となりました。

[治療]
 クラミジア性尿道炎の治療で使用される抗菌薬に準じた抗菌薬を使用します。しかし、一部の菌では、クラミジア性尿道炎に有効な抗菌薬では除菌されない耐性菌も増加しており、症状が改善しない場合は、他の抗菌薬に変更します。
 自覚症状が改善し、尿道分泌物や尿中の白血球がなくなれば、治癒と判断します。

【参照】性感染症:性器クラミジア感染症

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学講座 講師 亀井 潤)
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