腹部の痛み

解説
●腹痛をきたすおもな消化器疾患
腹痛の箇所原因疾患
心窩部痛急性胃粘膜病変胃・十二指腸潰瘍逆流性食道炎など
右季肋部痛急性胆嚢炎、胆石症、十二指腸潰瘍など
左季肋部痛胃潰瘍、急性膵炎など
臍部痛急性腸炎、急性膵炎など
右下腹部痛虫垂炎など
左下腹部痛急性大腸炎、虚血性腸炎など
下腹部痛急性大腸炎、慢性便秘、潰瘍性大腸炎など
腹部全体の疼痛急性腸炎、過敏性大腸症候群、虚血性腸炎、食中毒、腸閉塞など
腹痛は、内臓病(管腔臓器のけいれんや被膜の伸展などにより生じる痛み)、体性痛(腹膜などの炎症や機械的刺激により生じる痛み)、関連痛(内臓病が体表に投影された痛み)の3つに分類される


 腹部が痛くなる病気は非常に多く、消化管や肝臓、胆嚢、膵臓などの消化器系のほかに、泌尿器科や婦人科の病気のこともあります。心臓や肺の病気でも、腹部が痛くなることがあります。高齢者では、急性胃腸炎や腸閉塞などでも症状がなかなかはっきりと出にくい場合もあり、手遅れになることがありますので、十分な注意が必要です。
 逆に子どもでは、消化器以外の他の原因でも「おなかが痛い」とうったえる場合があります。
 一般に、はじめて内臓の病気が生じたときは、痛みの部位が明確に表現できないことが多いものです。したがって、腹部の痛みだけでは正しく診断することがむずかしい場合がありますが、症状からおおよそどんな病気の可能性があるのか見当をつけることはできます。
 そのためには、痛む場所、起こりかた、経過、性質、誘因、食事との関連、痛みが背中や肩などに伝わるかどうか、他の症状を伴うかどうかといった点に注目することが重要です。痛みの始まりかたや持続時間、くり返しなどで判断されるので、時刻や併発する吐き気、冷や汗、不安感などの症状が参考になります。状態によっては急いで手当てをしたり、手術をしなければならないこともあり、気をつけなければなりません。

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