屈折異常

解説
 屈折異常とは、遠くからきた光が網膜面で像を結ばない状態で、近視、遠視および乱視がこれにあたります。遠くからきた光が努力をしなくても網膜上に合う状態のことを正視といいます。屈折異常について述べる前に、目にとってもっとも大切なはたらきである視力について少し説明しておきます。
 私たちが目を開いて物を見る場合には、対象となる物に目を向けて目の中心で見ています。見ている中心の物ははっきりしますが、その周囲の詳細はぼやけることに気づくと思います。
 視力とはふつうこの中心(網膜黄斑部)での見えかたをいいます。遠くの物の存在をみとめるだけの状態(視覚最小限)から、それが人や車であることを具体的にみとめられる状態(分離最小限)まで、視力の程度に段階があります。

■視力と視力表
 視力は前述のように網膜黄斑部の機能で、そこの網膜神経細胞である錐状(すいじょう)体のはたらきによります。物の存在が見えるためには、その錐状体1個が、刺激により興奮を起こす程度に大きければよいわけです。最小限2つの物が区別して見えるためには、まん中の錐状体は興奮しないで、その両側で興奮が起これば、2点を分離することができるわけです。実際には物の大きさ、明るさ、色、動きや、集中力、瞳孔径などの内外の条件によって視力は異なってきます。
 国際的に一つの基準を設けておかないと不便ですので、1909年、国際眼科学会においてそれが定められました。基準となる視標は、“ランドルト環”という切れ目のある環で、環の外径が7.5mm、太さが1.5mm、環の切れ目の幅1.5mmのものです。この環の切れ目を5mの距離から認識できれば視力1.0としました。

 視標としてはこの環のほかに、アルファベット、カタカナ、ひらがな、数字や絵などが使われて、日常私たちが見かける視力表ができました。
 視力表は0.1から2.0まで13段階からなっているのがふつうです。
 視力測定の場合400~800ルクスの表面の明るさが必要です。
 視力表は目の高さに置き、片眼ずつ読める最小まで読み、読み得た最小視標をその目の“裸眼視力”とします。
 視力1.0以上ない場合には、その目の屈折状態を調べ、それにあう眼鏡を使用して同様に視力測定をおこない、もっともよい視力をその目の“矯正(きょうせい)視力”といいます。

近視〔きんし〕

遠視〔えんし〕

乱視〔らんし〕

不同視〔ふどうし〕

老眼〔ろうがん〕