【ニューデリー時事】19歳のパキスタン人女性が、脳死判定されたインド人から提供を受けた心臓の移植手術に成功した。インドメディアが26日までに伝えた。両国は分離独立以来3度の戦火を交えた敵国同士だが、「対立が影を落とす中での希望」と話題になっている。
インド紙タイムズ・オブ・インディアによると、女性はパキスタン南部カラチに住むアイシャ・ラシャンさん。心疾患を患っていたラシャンさんは2019年、医療環境が整う隣国インドを訪問。医師から心臓移植を提案された。
心臓のポンプ機能を助ける器具を装着して臓器提供者(ドナー)を待つ中、症状は悪化。約5年がたった今年1月、69歳で脳死判定されたインドのドナーが現れ、同国南部チェンナイの病院で手術を受けた。
約350万ルピー(約650万円)の手術費用は地元のNGOが負担した。術後の経過は良好で、ラシャンさんは今月退院。「呼吸がとても楽になった。学校を卒業したらファッションデザイナーになりたい」と話しているという。 (C)時事通信社
パキスタン女性、印で心臓移植=国の対立超え、美談に―報道
(2024/04/26 13:32)