治療・予防

誤飲による子どもの窒息事故
おもちゃは安全第一で選ぶ(日本鋼管病院呼吸器内科 田中希宇人医師)

 歯が生え始めた乳児向けに小さなパーツをつなぎ合わせた「歯固めジュエリー」が人気を集めているが、誤ってパーツを飲み込んで窒息する危険性もある。日本鋼管病院(川崎市)呼吸器内科の田中希宇人医師は「0~2歳くらいまでの子どもは、思いがけないものを飲み込んでしまうことがあります。おもちゃは安全面を第一に考えて与えてください」と注意を呼び掛ける。

小さなパーツをひもでつなげたおもちゃは、ばらばらになると誤飲の危険も

 ▽0歳児に多い窒息事故

 2018年度の厚生労働省の報告によると、子どもの誤飲事故は年間626件発生。たばこ、医薬品・医薬部外品、食品類、おもちゃなどが挙げられている。救急搬送され、吐き出させたケースもあるが、摘出手術になったり、命を落としたりしたケースもある。

 日本小児呼吸器学会の報告では、毎年50人近くの子どもが食べ物などによる窒息で死亡している。16年に厚生労働省が報告した不慮の事故による死因の内訳を年齢層別に見ると、0歳児では窒息事故が第1位だった。「17年には、おしゃぶり型のおもちゃを喉に詰まらせた生後9カ月の男児が病院に搬送され、約3カ月後に死亡したケースが報告されています」と田中医師。

 ▽直径4センチが目安

 誤飲事故を防ぐには、「STマーク」の付いたおもちゃを選ぶことも一つの方法だという。STマークは、日本玩具協会がおもちゃの安全基準適合検査に合格したおもちゃに与えるもので、事故が起きた際には補償制度もある。

 歯固めジュエリーや携帯電話のストラップのようにひもでパーツをつないだものは、ばらばらになった場合のリスクも考えておく必要がある。子どもの口の大きさは3歳児で直径約4センチと言われ、これより小さい物は窒息の原因になり得る。トイレットペーパーの芯の直径とほぼ同じなので目安になる。リスクがあるものは、子どもの手の届く範囲に置かないことも重要だ。

 「子どもが喉に物を詰まらせると5分で呼吸停止、15分で脳死に至るとされ、救急車を呼んでも間に合わない可能性があります。万が一に備え応急処置を知っておくと、いざというときに役に立ちます」と田中医師はアドバイス。日本小児呼吸器学会のパンフレットを参考に勧めている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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