平将明デジタル相は12日、時事通信などのインタビューに応じ、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」への移行に向け、現行の健康保険証の新規発行を予定通り来月2日に停止する方針を改めて示した。停止に当たり、利用者の不安に寄り添った情報提供に努める考えだ。主なやりとりは次の通り。
 ―立憲民主党が現行保険証の発行停止を延期する法案を衆院に提出した。
 ICチップが入っていないとできないことも多い。不正をしやすいので穴をふさぐべきだ。(マイナ保険証に)不安がある人に寄り添った広報をしたい。予定通り進める方針に変わりはない。
 ―急速なデジタル化には不安の声も多い。
 どうしても苦手な人が無理して参加しなくても、社会全体が回るようにしたい。デジタル化すれば便利だし、生産性も高まる。デジタル化に加わらない人たちにもその効果は広がる。
 今回のマイナ保険証も、嫌な人は資格確認書が届くので使ってほしい。何でもアナログからデジタルに変革しなければならないという考えは持っていない。
 ―自治体システムの標準化で、来年度末の期限を先送りする考えは。
 期限をなくすことや先送りすることは考えていない。事情や環境が変わってできなくなることは当然あるので、個別にサポートしたい。
 ―サイバー攻撃の兆候を捉えて被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」導入に向け、法整備の議論をどう進めるのか。
 少数与党だから、野党にも理解してもらいながら進める。できるだけ丁寧に、早めに各党に相談する。各党も問題意識を持っており、このままでいいとは思っていない。合意が得られる範囲で実効性のある政策を作る。 (C)時事通信社