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武見敬三厚生労働大臣に対し、グローバルヘルス分野における日本のODA支出拡大を要請

グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同
武見厚労大臣に対し、グローバルヘルス課題解決につながる国内外での研究開発の支援強化、日本企業製品・サービスの調達促進、企業活動と連携したグローバルヘルス分野へのオファー型協力の実現などを要請

渋澤健氏を代表とする「グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同」(以下、有志)は、7月2日(火)に武見敬三厚生労働大臣を訪問し、「企業活動とODAによるグローバルヘルスへの支援の拡大に向けた要望書」を手交しました。要望書を通じて、厚生労働省に対して以下6点の具体的なアクションの実行を要請いたしました。



1. 創薬基盤の強化・医薬品等の開発環境整備を推進するにあたり、国内市場への貢献に留まらず、日本の研究開発力をグローバルヘルスの課題解決にも応用できるよう、途上国のニーズも踏まえた国内外における研究開発の支援を強化すること。

2. 日本企業の製品・サービスの調達がグローバルヘルス分野の国際機関において促進されるよう政府として支援する仕組みを構築・強化すること。

3. 国内の感染症対策・危機管理体制の整備を通じてグローバルヘルス分野で活躍できる人材を育成するとともに、こうした人材活用しながら厚生労働省の国際部門を抜本的に強化し、外交一元化の下、国際保健外交をオールジャパンで総合的かつ戦略的に推進すること。

4. ワイズスペンディングを徹底しながら、グローバルヘルス分野における日本のODA支出総額を拡大すること。

5. 現地での企業活動と連携したグローバルヘルス分野へのオファー型協力を実現するため、グローバルヘルス分野への支援を外交政策上の戦略分野として明確に位置付けるよう働きかけること。

6. グローバルヘルス分野の国際機関への拠出金を日本企業の意見も踏まえながら戦略的に拡大すること。特に、本年末から来年にかけて増資会合を迎えるGaviワクチンアライアンスに対する資金拠出について積極的にプレッジすること。併せて、国際機関における日本の発言力を強化すること。


要望・手交の背景
グローバルヘルス分野における日本のODA支出総額は、2019年から新型コロナウイルス感染症への対応を中心に倍増し、2022年には、米国、ドイツに次ぐ世界第3位のグローバルヘルス支援国としての地位を確立しています。

世界の健康安全保障を強化するグローバルヘルスへの支援において、現地における企業活動と政府によるODAは車の両輪です。厚生労働省では「医療DXの実現」「感染症対策・危機管理体制の整備」「創薬基盤の強化・医薬品等の開発環境整備」に加えて「グローバルヘルスへの貢献」という4つの柱に戦略的に取り組まれており、企業活動を通じたグローバルヘルス分野における支援活動の更なる強化につながると期待しています。

厳しい財政状況に鑑み、財政再建に向けてワイズスペンディングを徹底しながらも、新型コロナウイルス感染症が沈静化してきたからといって、築き上げてきた国際プレゼンスを損なうことのないよう、グローバルヘルス分野におけるODA支出総額を拡大していかなければなりません。日本の経済安全保障を強化する観点からも、外交政策上の戦略分野としてグローバルヘルス分野への支援を明確に位置付け、グローバルヘルス分野のオファー型協力を通じて官民連携の向上を実現する必要があると考えます。加えて、保健分野において、Gavi ワクチンアライアンス、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)等のグローバルヘルス分野における国際機関への資金拠出を拡大するとともに、その分が国際機関による日本企業の製品・サービスの調達の拡大につながり、現地における日本企業の活動が更に拡大するという好循環を生み出す仕組みを構築・強化できれば、グローバルヘルス分野における日本の国際プレゼンスの更なる向上も期待できます。

これらを実現するためには、国内の感染症対策・危機管理体制の整備を通じてグローバルヘルス分野で活躍できる人材を育成するとともに、こうした人材活用しながら厚生労働省の国際部門を抜本的に強化し、外交一元化の下、国際保健外交をオールジャパンで総合的かつ戦略的に推進する必要があると考えます。

要望書全文は、こちらよりご覧いただけます。
https://prtimes.jp/a/?c=76537&r=20&f=d76537-20-be127b63082227e912bccc2a49dd2053.pdf

- 渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO)有志代表によるメッセージ:

「ポストコロナと言われる昨今は、財政状況も踏まえたODA拠出が重要となります。ワイズスペンディングを徹底しながら、国際保健分野での拠出やオファー型協力など取組の拡大について、厚生労働省のさらなる貢献とご理解をいただければと存じます。引き続きのご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。」

- 加留部 淳(豊田通商株式会社 シニアエグゼクティブアドバイザー)によるメッセージ:

「豊田通商株式会社は、ランドクルーザー車に保冷機を搭載した「ワクチン保冷輸送車」で国際保健分野に貢献しています。WHO 医療機器認証(PQS)を取得しており、GaviやODA援助の下で、アフリカ地域中心に170台出荷済み、300台商談中です。外務省は現在、ODAについて新しいフレームを用いたオファー型協力を模索されていますが、ぜひ厚生労働省とも相談をしながら、さらなる貢献に取り組んでいきたいと思います。」

- 田代 桂子(株式会社大和証券グループ本社 取締役兼執行役副社長)によるメッセージ:

「大和証券グループは、証券会社として、民間資金を活用した国際保健分野への貢献に携わってきました。これまでには「ワクチン債」などを通じてソーシャルインベストメントにも取り組んでいます。今後も支援対象国や投資家らのニーズを見ながら、国際保健のための資金調達に貢献していきたいと考えております。」

- 田中 繁広(日本電気株式会社(NEC)執行役 Corporate SEVP 兼 CGAO)によるメッセージ:

「日本が高い価値を創造し、その提供を通して国際社会に貢献していくことが、経済安全保障の観点からも重要だと考えております。この実現のために日本の様々なセクターの民間企業有志が参加し、協働する本活動は、非常に有効な手段となっています。NECは、ICTの活用を通じて、価値貢献の創出を行っています。一例として、厚生労働省が支援するCEPIからの拠出を受け、最先端AIを活用してベータコロナウイルス属全般に有効な次世代ワクチン開発に取り組んでおります。日本政府には、これからも民間企業の価値貢献を促す継続的な支援を期待しています。」

- 佐々木 小夜子(エーザイ株式会社 執行役 コーポレートコミュニケーション担当 兼 サステナビリティ担当)によるメッセージ:

「エーザイ株式会社は、顧みられない熱帯病制圧に向けて、リンパ系フィラリア症の治療薬の無償提供や集団投与支援、マイセトーマに対する新薬開発に取り組み、国際保健分野に貢献しています。これらは社会的インパクトおよび投資価値の高い取組だと考えており、サステナブルな制圧活動に向けて、日本政府の支援を強化いただきたいと存じます。」

- 小野 隆(シスメックス株式会社 取締役 常務執行役員)によるメッセージ:

「シスメックスは、「ヘルスケアの進化をデザインする。」をミッションに掲げ、世界の医療課題解決に貢献することを目指しています。グローバルヘルス分野においては、アフリカなど開発途上国の課題である貧血・マラリアの対策に貢献する血液検査機器の開発・普及を通じて、医療アクセス向上に取り組んでいます。日本の優れた医療ソリューションを官民連携でお届けしUHCへ貢献できるよう、保健医療分野でのODAのさらなる拡大をお願い申し上げます。」

- 金子 洋介(SORA Technology株式会社 代表取締役Founder兼CEO)によるメッセージ:

「SORA Technologyは、ドローンやAIを用いて、スタートアップの立場からマラリア対策に貢献しています。Gaviとも連携し、航空データを活用したワクチン・医薬品のサプライチェーン最適化等、今後もイノベーションを使った国際保健への貢献を続けていきたいと考えております。引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。」

- 柏倉 美保子(ビル&メリンダ・ゲイツ財団 日本常駐代表)によるメッセージ:

「武見大臣にはこれまでの国際保健分野への取組だけでなく、先日発表された「国際戦略推進本部」も発足していただき、深く御礼申し上げます。Gaviワクチンアライアンスやグローバルファンドの増資などをはじめ、今後も引き続き、日本政府からの継続した支援をお願い申し上げます。」


「グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同」について
渋澤健を代表とする、グローバルヘルス(保健医療分野、特に公衆衛生分野、感染症対策分野での支援及び事業)へ貢献する日本企業等の有志団体です。製薬・医療機器をはじめとした保健医療分野のみならず、金融や商社、デジタル、サプライチェーン等多岐にわたる分野から構成され、大企業のみならず中小企業やスタートアップも含めた多様な企業の経営者が参画しています。

公式サイト:https://gh-leaders.jp/

*有志代表
渋澤 健 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO
    「新しい資本主義実現会議」委員
家次 恒 シスメックス株式会社 代表取締役会長 グループCEO
遠藤 信博  日本電気株式会社(NEC) 特別顧問
加留部 淳 豊田通商株式会社 シニアエグゼクティブアドバイザー
後藤 禎一 富士フイルム株式会社 代表取締役社長・CEO
更家 悠介 サラヤ株式会社 代表取締役社長
田代 桂子 株式会社大和証券グループ本社 取締役兼執行役副社長
手代木 功 塩野義製薬株式会社 代表取締役会長兼社長 CEO
内藤 晴夫 エーザイ株式会社 代表執行役CEO
新浪 剛史 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長
藤江 太郎 味の素株式会社 代表取締役社長
渡部 克明 ヤマハ発動機株式会社 代表取締役会長
金子 洋介 SORA Technology株式会社 代表取締役Founder兼CEO
酒匂 真理 株式会社miup 創業者兼CEO
柏倉 美保子 ビル&メリンダ・ゲイツ財団 日本常駐代表




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